アマゾンの”物流企業化”がさらに加速! 物流サービスの外部提供を拡大へ
アマゾン(Amazon.com)が、個人の配送ドライバーがショッピングモール内の小売店から商品を預かり、顧客宅に届けるサービスを開始したと、複数の米メディアが報じている。顧客は地域のモール内店舗の商品をアマゾンのECサイトから注文し、当日中には商品を手にできるという即時配送サービス。「アマゾン・フレックス(Amazon Flex)」と呼ばれる、業務委託プログラムに登録している個人事業主のドライバーが商品の集荷と配達を担当する。
アマゾン・フレックスは全米50都市に拡大
同サービスは、22年5月時点では実証実験の位置づけで、米国の一部地域のみで提供されている。米ニュース専門局のCNBCによると、ネバダ州ラスベガスにある約18万平方メートル(東京ドーム約4個分)のショッピングモール内の複数店舗の商品を注文できる。また、テキサス州ヒューストン南東に位置する都市フレンズウッドでも同様のサービスの実験を行っている模様だ。
さらにブルームバーグ通信によると、アリゾナ州チャンドラーとバージニア州タイソンズの大型ショッピングモールも対象となっているようで、近い将来に同サービスが一般公開されれば、アマゾンは即時配送の対象商品を、新規カテゴリーを含め大幅に増やすことになると報じている。
アマゾンはかつて、ラストマイル配送をUPSや米USPS(米郵政公社)、フェデックス(FedEx)などの大手物流業者に大きく依存していた。しかし近年は、アマゾン・フレックスをはじめ、自社物流網の拡大を加速させている。

同社がアマゾン・フレックスを始めたのは2015年のこと。現在は全米50以上の都市で同プログラムを展開している。登録ドライバーは1時間当たり18~25ドル(約2300~3200円)の配送料を受け取っているが、ガソリン代や有料道路料金、車両の維持費などは自己負担となっているようだ。
他方、アマゾンは18年に、宅配事業の起業支援プログラム「デリバリー・サービス・パートナー」を開始。リース車両やユニフォーム、ガソリン、保険などの業務に必要なものを安価に提供し、アマゾン専用の配送業者を増やしている。CNBCによると、同社は米国で1000社以上のパートナー企業と契約しており、8万2000人以上のドライバーを抱えている。
アマゾンはこうした自社物流資源を生かし、
続きを読むには…
この記事は DCSオンライン会員(無料)、DCSオンライン+会員限定です。
会員登録後読むことができます。
DCSオンライン会員、DCSオンライン+会員の方はログインしてから閲覧ください。
月刊アマゾン の新着記事
-
2025/07/17
地方部の配送網と全米の拠点整備に190億ドル投資! アマゾンが仕掛ける物流戦略とは -
2025/06/18
米アマゾンの物流拠点で75万台が稼働! 人型ロボットは労災を食い止められるか? -
2025/05/13
アマゾンがねらう“低価格帯の覇権” 新EC「アマゾン・ホール」を世界に拡大 -
2025/04/10
アマゾン、ホールフーズCEOをグローバル食品事業トップに任命したねらいとは -
2024/09/19
アマゾンのドローン配送が拡大フェーズへ!認可された「目視外飛行」とは? -
2023/05/18
アマゾンの最新ロボットアームは「倉庫完全自動化」を実現するか?
この連載の一覧はこちら [36記事]

アマゾンの記事ランキング
- 2025-06-18米アマゾンの物流拠点で75万台が稼働! 人型ロボットは労災を食い止められるか?
- 2025-06-24【一部無料公開】生成AIで加速する小売業DX最新動向=流通倶楽部2025第2回
- 2024-05-29利用減少から一転、会員数過去最高のアマゾン・プライム 復調の理由は?
- 2025-04-14ネットスーパー相関図 2025 市場拡大背景に協業・提携が活発化!
- 2025-06-09アメリカ小売業ランキングトップ10! 環境激変下での各社の業績&成長戦略とは?
- 2021-01-15急成長続く、世界最大家具EC・ウェイフェアとは?テスコ、アジア撤退が完了
- 2025-06-19ウォルマートが4年ぶりにスーパーセンターを新規出店! リドルは英国で出店加速
- 2019-06-04生鮮リアルタイム宅配でタッグ ライフとアマゾン、急接近の深層
- 2020-02-07アマゾン、開発中のEV配送車のモデルを公開、22年までに1万台導入
- 2020-09-15コロナを追い風に順風満帆!アマゾンVSウォルマートの戦いはさらに激化