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ゴールデンウィーク休業期間のお知らせ

イオン北海道、25年2月期は増収減益に 業績回復に向け推進する「4つの施策」

北野 裕子 (ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者)
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イオン北海道(北海道/青栁英樹社長)は4月11日、2025年2月期(24年度)通期決算を発表した。売上高は増収となったものの、営業利益以下の各段階利益は減益で着地。総合スーパーや食品スーパーの売上計画未達が響いた一方で、ディスカウントストアの売上が伸長するなど明るい材料もあった。決算の概要と、巻き返しを図る26年2月期の取り組みをレポートする。

純利益が40%超の減益

西友から承継し、リニューアルオープンしたイオン札幌手稲駅前ショッピングセンター(イオン北海道提供)

 イオン北海道の252月期業績(非連結)は、売上高が対前期比6.3%増の3540億円、営業利益は同23.9%減の78億円、経常利益が同22.9%減の80億円と増収減益だった。当期純利益も同41.8%減の30億円と大きく減少。242月期業績は売上高、営業利益、経常利益いずれも過去最高を更新しただけに、前期からの落ち込みが目立つ結果となった。

 11日に開いた決算説明会で、青栁社長は減益要因について「総合スーパー、食品スーパーいずれも既存店、新店ともに売上計画に対して未達に終わった」と説明した。道内では、有力チェーンが勢力を拡大するなど競争環境が激化するほか、燃料価格の高騰などコスト上昇が続いている。営業総利益の伸びが想定を下回り、販管費の増加分などをカバーできなかった。食品などの既存店売上高は伸びたものの、粗利益率が高い衣料品は気候変動に柔軟に対応できず減収となったことも影響した。

 期中は、新規出店や既存店改装への投資も積極的に行った。「イオン」「マックスバリュ」「まいばすけっと」などの各屋号で5店舗を新規出店。また、西友(東京都/大久保恒夫社長)から承継した札幌市内9店舗について、承継から2カ月で全店の営業を再開した後、一時休業して店内設備を入れ替えるなどリニューアルも行っている。承継による営業利益へのマイナス影響は20億円を見込んでいたが、15億円にとどまった。

節約ニーズに対応した施策が奏功

ザ・ビッグ福住店外観
ザ・ビッグ福住店(札幌市)。イオン北海道が承継した旧西友福住店へ居抜き出店した

 25年度に向けての好材料となったのが、ディスカウントストアの売上高伸長だ。252月期業績を業態別にみると、総合スーパーが対前期比4.7%増の1952億円、食品スーパーが同7.7%増の1074億円、ディスカウントストアが同8.8%増の563億円と最も伸びた。とくに既存店でみると、総合スーパーが同1.7%増、食品スーパーが同2.0%増だったのに対し、ディスカウントストアは同6.3%増と著しい成長を示している。過去5年間でみてもディスカウント事業の売上高は1.4倍に伸び、売上高構成比も3.1ポイント増の15.9%と高まっている。

 青栁社長はこの結果について「物価高が続いて生活防衛意識が高まる中でニーズに対応し、大きく伸長した」と評価。24年度に帯広市内の3店舗を「ザ・ビッグイーストモール店」「ザ・ビッグエクスプレス春駒通店」「ザ・ビッグエクスプレス西陵店」に業態転換したところ、3店舗合計の売上高は前期から50%超の伸びとなったという。

 こうした高まる節約志向に対応した取り組みへの評価は、プライベートブランド(PB)の売上にも表れている。イオンのPB「トップバリュ」のうち、低価格ラインの「トップバリュ ベストプライス」の売上高は対前期比12.8%増となった。

 

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記事執筆者

北野 裕子 / ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者

兵庫県出身。新聞社を経てダイヤモンド・リテイルメディアに入社し、ダイヤモンド・チェーンストア編集部に所属。

趣味は国内の海や湖を巡り、風光明媚な場所を探すこと。おすすめのスポットは滋賀県の余呉湖、山口県の角島大橋。

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