冷凍食品を‟生鮮”と捉えて、生鮮5品目で売場を作るべき理由とその方法とは
日本の冷凍食品の“黎明期”である1980年代から、冷凍食品のマーケットや商品、各業態の売場の調査・分析を続けている冷凍食品ジャーナリストの山本純子氏。同氏は、コロナ禍による冷凍食品需要の高まりは不可逆であり、さらにお客はこれまでとは違う買物動向を示し始めていると指摘する。食品スーパー(SM)をはじめ、小売業はこの成長市場とどう向き合えばよいのだろうか。同氏に解説してもらった。
コロナ禍で冷凍食品の需要が伸びた背景
コロナ禍と家庭用食品の消費との関係を振り返ったとき、最も影響を受け、かつ需要が大きく変化したのは冷凍食品であろう。SMの冷凍食品売場は広がり、コンビニエンスストア(CVS)での品揃えも増えている。専門店やEC、冷凍自販機といった新規事業も続々登場している。お客の「冷凍アクセスポイント」は増え続けており、消費者が何を選んで冷凍庫に納めるのか、予測不能の時代になった。
2020年春にコロナ禍が始まった時、お客が「買いだめ」のためにSMに殺到し、冷凍食品売場でも商品がほとんどなくなる店舗が続出した。総菜の日持ちは1日であることと対照的に、「長く使える」総菜、「日持ちする」素材として冷凍食品、冷凍野菜、冷凍水産品などに多くの人が手を伸ばしたのだ。
業界各社は、冷凍食品を競って買い求めたお客の中に、「新規ユーザー」と「子育て終了以降冷凍食品から遠ざかっていた層」が多くいたことが、後の需要増につながったとみている。便利でおいしく、日持ちがして、しかも素材からの調理と比較したときのタイムパフォーマンスを考えれば、冷凍食品はリーズナブルだと気付いたお客が多くいて、定着したのだ。
老若男女に広く浸透 溶ける外食・中食の境界線
コロナ禍で冷凍食品の売上が伸長した背景には、
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