アークランドサカモト増収減益 上期ホームセンター事業苦戦も
通期の利益は達成見込み
引き続き「専門性の深耕」推進!
アークランドサカモト(新潟県/坂本雅俊社長)は9月24日、2014年2月期第2四半期決算と通期決算の見通し(連結)を発表した。上期は天候要因でホームセンター(HC)既存店が不振で売上高は計画未達だったが、下期はプロショップを含む2店舗の新店効果、消費増税前の駆け込み需要に期待するとともに、適正な粗利益率をキープして売上、利益のばん回を図っていく。
天候不順でHC既存店は苦戦
アークランドサカモトの2014年2月期第2四半期の累計売上高は499.37億円で、前期比1.5%の増収ながら計画に対し98.0%、約10億円の未達。営業利益(46.63億円)は1.9%、経常利益(50.37億円)は1.3%の減益で、それぞれ計画に対し96.1%、96.5%と下回った。当期純利益(29.17億円)は4.6%増益で達成率104.2%だが、坂本雅俊社長によると法人税率の変更のためだという。
事業別では、小売事業の売上高は前期比0.9%減、営業利益は2.4%減で、卸売事業の売上高は6.2%増、営業利益は14.1%減、外食事業の売上高は13.5%増、営業利益は7.0%増、不動産事業の売上高は0.9%増、営業利益は1.0%減だった。
小売事業のHC部門の売上高は343.13億円で、前年同期比で0.9%減。昨年度下期にオープンしたHCの新店2店舗に加え、5月に開店した初の本格的プロショップのムサシプロ安茂里店(長野市/約500坪)、7月に開店した専門に特化した新しいモデルのホームセンタームサシ新井店(新潟県上越市/約1700坪)が寄与したが、既存店ベースは5.0%減と厳しかった。4、5月の低温、ゴールデンウイークの大不振、東北や新潟で8月まで長引いた梅雨で苦戦し売上は計画に届かず既存店客数は5.1%減だったが、同客単価は0.1%減と健闘している。
その他小売の部門では1月にムサシ食品館長岡店(新潟県)を閉店し、売上高は29.77億円で前年同期比で13.3%の減収になった。
HCの品目別では、DIY関連用品プラス0.3%、家庭用品プラス0.4%、カー・レジャー用品プラス3.7%、園芸用品は春の低温による機会ロスを好調なペットでカバーしてプラス0.2%で、全部門がプラスで全体も0.3%増だった。連結では粗利率の改善で売上総利益が0.3%伸びたが、販管費が0.7%悪化し、これが営業利益、経常利益の前期比マイナス、計画未達の要因になっていた。
通期の見通しは据え置き
連結通期見通しは、売上高1000億円(3.0%増)、営業利益85.5億円(4.0%増)、経常利益92.5億円(3.5%増)、当期純利益47.5億円(4.0%増)で期初見込みを据え置いた。「第2四半期以降、利益面は前年度を上回る水準で推移している。少なくとも利益面は計画達成可能」(坂本社長)という。小売事業のHC売上高を4億3700万円減額修正したが、減額したのは既存店で、上期実績がマイナス5.0%で計画を大きく下回ったため、通期マイナス1.2%の当初計画をマイナス1.9%に下方修正した。しかし下期の計画はプラス1.3%と強気で、坂本社長は「消費税引き上げ前の駆け込み需要では住宅着工に伴うDIY関連に期待を持っている。ムサシプロの出店、資材館の充実などでプロ需要を積極的に取り込んでいる」と自信をのぞかせる。商品面でも、円安等による原材料の高騰に対し競争力の高い商品から順次、値入改善を行って適正な粗利益率をキープする政策をとっていると説明している。
その下期(9~2月)は、9月19日に約2700坪のホームセンタームサシ新潟西店(新潟市)が開店し、10月にスーパーセンタームサシ長岡店内併設で、期初の計画になかったムサシプロ長岡店がオープンする。上期の2店舗と合わせた4店舗の新店効果は、通期の売上ベースで13億円とみている。
さらに来期(15年2月期)の新店計画は、来年春に新潟県、秋に大阪府に、ともに約3000坪のホームセンタームサシ店舗を開設し、また、既存店2、3店舗にムサシプロのような専門業態を併設する計画がある。既存店の専門化、専門業態出店、専門店テナント誘致など「専門性の深耕」は、他業態や同業他店舗との差別化、付加価値アップのカギになる戦略と位置づけており、戦略的に進めていく構えだ。