外食・中食市場動向を調査! 回復に向かう外食、伸び率鈍化する中食

2022/10/12 05:55
    リテールライター:崔順踊
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    外食市場の調査・研究を行う「ホットペッパーグルメ外食総研」は9月14日、メディア向けオンラインセミナーを開催した。2022年のテーマは「コロナ禍3年目を迎えた外食市場と消費者動向の変化、『 外食産業モデルの進化 』 を実現する DX の本質とは」。カスタマー動向、調査分析が専門の稲垣昌宏研究員が2021年度の外食&中食市場概況現状および今後の外食意向について調査結果を発表した。

    monzenmachi/iStock

    飲酒機会が減り、週末の家族との外食が回復基調に

     外食市場調査は夕方以降の外食および中食の市場規模把握を目的として2012年10月から毎月首都圏、関東圏、東海圏に居住する20~69歳の男女約1万人の消費者を対象に実施している経年調査である。

     2021年4月から22年の3月の外食市場における基準人口は、前年度比0.7%減、外食実施率は同2.2ポイント増の54.2%、外食頻度は前年度比0.08回減の3.44回/月、外食単価は前年度比1.1%減の2,387円であった。3圏域の市場規模は2兆1645億と推計され、前年度と比べ0.1%増でほぼ横ばいの結果となった。

     性年代別で見ると前年度比で最も外食市場規模が伸びたのは30代女性で106.2%。19年度比で最も回復した性年代は、20代男性の64.9%であった。

     業態(大分類)別では、前年の103.8%で食事主体の業態が少し伸びた。次に飲酒主体の業態で87.1%となった。コロナ禍2年目は1年目から13%ほど減少。緊急事態宣言や蔓延防止等重点措置がコロナ禍1年目に比べて長期間におよび、飲食店の営業制限が多くかかっていたことが関係しているとみられる。

     業態(小分類)別では、コロナ前は回数シェアで居酒屋がトップだったが、前年度からファミリーレストラン、回転ずしが15%と伸び、シェアが最大となった。居酒屋は9.9%でコロナ前の水準まで回復していない。

     飲酒率・予約率は、「飲酒あり」は20年度が同7.5%減、21年度が同7.2%減と、2年間で大幅な減少となった。一方、予約ありの外食率は、21年度は増減なしで下げ止まっている。

     外食の相手は、19年度比で職場・学校仲間が5.9%と約半減。知人・友人は前年度より若干回復したものの、14.8%と19年度の18%には届いていない。外食する曜日は金曜日が減り、土日が増加した。職場相手との飲食が減り、家族との外食が増えた結果とみられる。

     外食する場所については、テレワークの普及なども影響し、地元で外食した割合が19年度比で3%ほど上がったが、21年度は地元以外での外食が少しずつ回復傾向にある。

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