利益率29%を実現する利益管理の手法とは?北の達人コーポ木下勝寿社長インタビュー【後編】

聞き手・構成:松尾 友幸 (ダイヤモンド・チェーンストア 記者)
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シナジーを見込める企業へのM&A

――今後の事業拡大の戦略はどうお考えですか。

木下 商品開発では前述した方針を採りつつ、海外展開も進めていきます。台湾事業はコロナ禍で売上が下がり苦戦していますが、その他の国ではアマゾンを活用した商品展開をしていきます。すでに米国のアマゾンでは、現地向けに開発した抹茶をテスト販売しています。

――最近ではM&A(合併・買収)にも積極的です。

木下 今期はASHIGARU、エフエム・ノースウエーブの2社を子会社化しました。ASHIGARUは「SALONMOON(サロンムーン)」というヘアアイロンブランドを展開する企業で、アマゾンでの展開を中心に成長中の企業です。今後「北の快適工房」がアマゾンで展開していくうえでのノウハウを共有するなど、シナジーを追求していきたいです。

 エフエム・ノースウエーブは北海道では知らない人はいないほどのラジオ局です。子会社化後は当社の商品のラジオ通販のコーナーを設けたり、地元の人材紹介会社と協業して、短時間バイト検索アプリの「northwave プチバイト」をリリースしたりするなど、さまざまな取り組みに挑戦しています。エフエム・ノースウエーブでの取り組みはイレギュラーな部分もありますが、今後は基本的に当社の主軸であるEC事業とシナジーを創出できる企業と協業していく考えです。

――最後に、今後の目標について教えてください。

木下 日本を代表する消費財のグローバルブランドになりたいです。すでに日本には花王や資生堂など、リアル小売での流通から生まれた世界的企業がありますが、当社はネットから生まれた次世代のグローバルブランドとして存在感を示していきたいです。そのためには、「北の快適工房」を中心に、現在取り組んでいることを愚直に一生懸命頑張っていくことがいちばんだと考えています。

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聞き手・構成

松尾 友幸 / ダイヤモンド・チェーンストア 記者

1992年1月、福岡県久留米市生まれ。翻訳会社勤務を経て、2019年4月、株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア入社。流通・小売の専門誌「ダイヤモンド・チェーンストア」編集部に所属。主に食品スーパーや総合スーパー、ディスカウントストアなど食品小売業の記者・編集者として記事の執筆・編集に携わる。趣味は旅行で、コロナ前は国内外問わずさまざまな場所を訪れている。学生時代はイタリア・トリノに約1年間留学していた。最近は体重の増加が気になっているが、運動する気にはなかなかなれない。

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