サステナブル商品 小売やメーカーの取り組みが進み生活者の関心も高くなる傾向
サステナブルへの取り組みはメーカーによってさまざま
明治では「明治プロビオヨーグルト R-1」ブランドで、ペットボトル容器の軽量化によるプラスチック使用量の削減に取り組んできたが、「明治プロビオヨーグルトR-1ドリンクタイプ低糖・低カロリー」の一部の工場製造品において、リサイクルPET樹脂を使用したペットボトル容器への切り替えを23年12月出荷分より順次開始。リサイクルPET樹脂は使用済みのペットボトルを活用するため、石油資源の使用量の削減が可能だ。

ブルドックソースでは、定番の四角い容器のソースを使いやすく、環境に配慮したものにリニューアル。容器プラスチック使用量を従来の20%削減し、ボトルにリサイクルPET樹脂を使用、ラベルにはバイオマスインキを使用した。

一方、アサヒビールでは、6缶パックにおける紙の使用量を大幅に削減した紙資材を使用した「アサヒスーパードライエコパック」を1都10県で発売。使用する紙の重量は350mlの6缶パックで65%、500mlの6缶パックで73%の削減を実現した。

「環境負荷の抑制」を重点課題のひとつに定めているJ-オイルミルズでは、プラスチック廃棄量やごみの量の削減、CO2排出量の削減に取り組んでいる。その一環として、食用油では珍しい紙パック(森林認証紙)採用でプラスチック使用量を約60%、CO2排出量を26%以上、ごみの量を約1/2削減した環境配慮型商品「スマートグリーンパック」を発売。21年秋に2製品を発売し、22年春にシリーズ化して、9製品にまでラインアップを広げている。環境配慮だけでなく使いやすさでも支持され、順調に伸長を続けている。同社では22年に続き、「スマートグリーンパック」シリーズの売上の一部を海洋・河川の環境保全に取り組む一般社団法人JEANに寄付した。同社では引き続き環境負荷低減に取り組んでいく考えだ。

プラスチック容器を捨てずに循環する社会へ
近年、ごみ問題への関心が高まるなか、「イトーヨーカドー横浜別所店」において、23年9月8日から12月6日の期間に、使用済みプラスチック容器の回収実証実験を実施した。同取り組みは、アールプラスジャパンに資本参加している12社による業界横断の取り組みとなっている。食品容器は、内容物の多様さや調理温度や保管温度などにより、さまざまなプラスチック材質が使われている。アールプラスジャパンは、プラスチック材質に左右されず、かつ効率よく元のプラスチック素材に戻すことができるケミカルリサイクル技術を開発中。今回の実験では、この技術への適応の可能性を探るため、これまで回収事例が少ないものも含めて、幅広い食品容器を回収対象としている。

一方、イオンは、25年までに、イオンのプライベートブランド「トップバリュ」で展開する商品のすべてを、リデュース(削減化)、リユース(再使用化)、リサイクル(再資源化)のいずれか、あるいは複数に対応して開発を行った環境配慮3R商品に切り替えていく。容器包装をコンパクトにしたり、石油由来のプラスチックをリサイクル素材や紙などにするといった、循環型社会の実現に向けた商品として訴求する。
サステナブルな世界は、私たちの日々の選択から始まる。サステナブルな意識をさらに浸透させていくためには、最も身近な小売業の売場での取り組みが重要になりそうだ。
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