「スシロー」や「吉野家」だけではない!飲食店や小売店等における恐怖の迷惑行為の実態とは

西尾 晋(エス・ピー・ネットワークエス・ピー・ネットワーク執行役員・総合研究部担当/主席研究員)
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食事を粗末にしたり、店内を汚したりする行為も

 飲食店では、注文した料理が口に合わず、退店する際にテーブルにまき散らし、テーブル上やテーブル周辺を意図的に汚損する事例も発生している。これは、会計を済ませて退店したのちに発覚することが多い。

 たいていの飲食店ではお客が退店後片付けるため、片付けが後回しになってしまう。そのため、しばらくの間不衛生な状態でテーブルが放置されてしまうことになる。さらに清掃にもあたっても、複数のスタッフで対応せざるを得なかったり、通常の片付けよりも時間がかかるため、このような行為は店舗にとっては極めて迷惑な行為である。

 また、焼き肉バイキングの店で意外と発生するのは、自身で大量の料理を取り、食べきれずに鉄板の下(炭の中)に隠し退店するような迷惑行為である。このような店舗では、食べ残しが多い場合は追加料金をいただく旨の注意書きがなされているケースが多いため、鉄板の下に隠すことで、追加料金を免れようとしているのだ。店舗としては、食材を無駄にされた上、炭の取り換え作業や清掃作業も発生するため、特に混雑している場合の対応負担は計り知れない。

 食材を無駄にされる迷惑行為としては、ラーメン店でのテーブル上の調味料の過剰使用事例も後を絶たない。テーブル上の胡椒、ラー油、塩、などの調味料を容器が空になるほど使用する。しかも、食べている時に使用するのではなく、食べ終わった後にスープなどに悪戯として入れるという迷惑行為である。店舗としては調味料を無駄にされた上、詰め替え作業や他のお客様からのクレームに繋がったりすることになる。口にする部分を下にしてまとめていれてある割りばしを逆さまにして入れ替えて、不衛生な状況にするような迷惑行為もある。

 飲食店では、運ばれた料理を半分以上食べた後、自身で髪の毛やその他異物を混入させ、新たな商品を提供させるか無償化させようとする典型的・古典的な手口による迷惑行為も、相変わらず多く発生している。スーパーや小売店では、未会計商品を店内で喫食し、そのまま放置していく迷惑行為も意外なほど多い。

トイレに関する迷惑行為や店内のお客様を不快にさせる迷惑行為の事例

 ほかにも、フードコートやテイクアウト店舗などで提供された紙皿やプラスチックカップをトイレに流してトイレを詰まらせたり、イベント会場のトイレ入口の男女区別用看板を入れ替えたりするような事例もある。トイレに関する迷惑行為は、利用者に与える影響も大きく、許しがたい行為である。

 また、店外から、ファミリーレストランの店内の窓際に座っているお客に向かって下半身を露出するような輩もいる。

カスハラが企業にもたらす「ロス」は極めて大きい

 以上、今回は、飲食店や小売店で行われた迷惑行為の事例をいくつか紹介してきたが、本文中でも簡単に触れたように、迷惑行為等のカスタマーハラスメント(以下、カスハラ)が、企業にもたらす種々のロスは極めて大きい。

 次回以降、迷惑行為等のカスハラが企業にもたらすロスについて解説するとともに、カスハラに対する対応体制や対応要領の整備のポイントや、このようなカスハラ行為に毅然として対応し、法的対応をやりやすくするための対応要領について、順次解説していく。

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