「スシロー」や「吉野家」だけではない!飲食店や小売店等における恐怖の迷惑行為の実態とは

西尾 晋(エス・ピー・ネットワーク執行役員・総合研究部担当/主席研究員)
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スシローや吉野家等の飲食店での迷惑行為がSNSにアップされる事態が相次いでいる。SNSで拡散されれば、炎上等により注目されるが、SNSで拡散されていない顧客による迷惑行為の事例も多数存在する。店舗における迷惑行為対策を考えていく上では、店舗の現場における迷惑行為の実態や店舗側の負荷の大きさを知ることが重要であることから、本稿では、まずは、飲食店や小売店における顧客のトンデモ行為(迷惑行為)の事例を紹介したい。

vm/iStock

女性スタッフへのストーカー行為やナンパ行為が横行

 飲食店や小売店で多い迷惑行為の代表的な事例は、女性スタッフへのストーカー行為やナンパ行為である。たとえば、ある小売店では、60代男性顧客が、特定の20代女性従業員に対し、「業務に関係のない話をする、肩に触る」などの迷惑行為を繰り返す事例があった。業務に関係ない話を延々とされることで、ただでさえ少ない人員で回しているなか、他のお客への対応遅延を招いたり、業務の停滞を招いた。それだけではなく、当該女性スタッフは肩を触られることに恐怖を感じ、アルバイトを休みがちになってしまったという事例がある。

 また、同様の事例としては、40代の男性が、ほぼ毎日来店しては特定女性従業員へ声掛けし、連絡先等を聞くなどの迷惑行為を繰り返した挙句、女性従業員が出勤時に寄ったコンビニから店舗まで追いかける行為にも及んだということもある。

 この話からわかる通り、こうした迷惑行為は、店内だけで行われる訳ではない。女性スタッフに対するストーカー行為やナンパ行為は、出社時や退社時を狙って行われるケースも少なくないので注意が必要だ。

 たとえば、車での出社が多い地方の店舗では、従業員駐車場で好意を持った女性従業員を待ち伏せしたり、女性従業員の乗る車を見張り、女性従業員の乗車時に撮影したり、GPSを仕掛けて尾行するなどか悪質な迷惑行為(犯罪行為)もある。

 女性に対するストーカーやナンパは、従業員だけではなく、店舗を利用する女性客に対して行われる場合もある。たとえば、施設内のベンチに座って、好意を持った女性客が美容室や料理教室を利用している様子を観察・撮影したりする事例も発生している。また、商業施設の通路に置かれたベンチに陣取り、向かいの店舗で働く従業員を撮影しているケースもある。

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