イオン北海道、中計目標達成のカギ握る西友店舗継承後の戦略
地方店舗の運営に課題
アフターコロナで経済活動が正常化し、さまざまな取り組みも功を奏したことで24年2月期は好業績で着地したイオン北海道。ただ、青栁社長は「お客さまの購買の動向は月を追うごとにシビアになっている。安いからたくさん買う時代じゃない」と危機感を示す。とくに第1四半期は粗利益率が高い衣料品が苦戦した。
地域特有の事情もある。北海道は全国を上回るペースで人口が減少しており、市場縮小も進む。道内では、小売企業が道内から撤退したり、札幌市内への出店に絞る一極集中が起きているという。青栁社長は「イオンが地域のインフラとしての役割がさらに大きくなっている。収益は厳しいが、地方店舗(都市部以外の店舗)を復活させることに注力している」と語る。
その一方で道内では、ロピア(神奈川県/髙木勇輔代表)やトライアルカンパニー(福岡県/亀田晃一社長)などの有力チェーンが勢力を拡大しつつある。こうした現状を踏まえたうえで、青柳社長は「地域のアセットとしてどう生き残るかということを踏まえ、地方店舗のリバイバルを進める」とし、既存店舗のディスカウントストアへの業態変更なども含めた店舗戦略を検討していくとした。