半分以上のビジネスパーソンが勘違い!キャッシュフローと運転資本を正しく理解する方法

河合 拓 (株式会社FRI & Company ltd..代表)
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「投資」と「投機」の違いがわかれば
投資キャッシュフローの本質がみえる

aluxum/istock
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「投資」と「投機」はよく混同されがちだが、投資というのはしっかり学び、正しい知識でやれば、ほぼ100%に近い確率で成功する。一方、投機は勝つか負けるか(金を増やすか、減らすか)は神のみぞ知る。いわゆる丁半博打だ。私は「投資」はやるが「投機」は絶対にやらない。過去潰れた商社はみな「投機」に手を出したからだ。

例えば、「FX」や「仮想通貨」について考えてみよう。私は、これらを「投機」だと思っていて、投資だと思っていない。理由は、為替の変動は円高に振れるか円安に振れるかは絶対に予想できないし、仮想通貨もあらゆる群衆が宝くじを当てるが如く売り買いをしているからだ。しかし、株式は企業のファンダメンタルを見て、その企業のビジネスモデルをみれば、今の株価が安いか高いか分かる。ビジネスモデルを見るのは本業だから、私にはよくわかる。もちろん、不測の事態がおきて予想が外れることもあるが、ビジネスモデルがしっかりしていれば、必ず「神の見えざる手」によって株価は本来あるべきところに落ち着いてゆく。だから、私は株式投資でも短期売買を繰り返すテクニカル投資はやらない。給与のケースでいえば、自分の知識のなさを有名な書籍で補い、アウトプットの機会を「河合拓の夜間講座」でしごいてもらえば、一定確率でビジネスリテラシーが上がる。なぜなら私は、過去50社の企業を赤字から黒転させた経験をもつ実務家だからだ。

財務キャッシュフロー

最後に、今貯金が5万円しかないのだが、書籍や「河合拓の夜間講座」の10万円を払うには5万円足りない。次の給与が入れば5万円の営業キャッシュが入ってくるのだから、あと10日待ってもらいたいが、「河合拓の夜間講座」は人気で、1ヶ月前に募集人数がうまってしまうほどだ。この場合、5万円を10日間「貸してもらう」ことになる。(ここでは金利などは無視するとする)この5万円を借りて、キャッシュを増やす行為、そして、その5万円を10日後に返済する行為を財務キャッシュフローというのだ。

つまり財務キャッシュフローがプラスというのは、何らかの手段によりキャッシュを外部から調達(借入)したことであり、財務キャッシュフローがマイナスというのは借入を返済した(社債の償還や配当金の支払いなどでもマイナスになる)ということなのである。

 

どうだろうか。本業で稼いだお金を営業キャッシュフロー、将来の営業キャッシュフローを増加させるものが投資キャッシュフロー、そして、一定期間お金を借り、そして、返済するお金の出入りを財務キャッシュフローといって、こうした活動の結果、できあがった貯金(この場合返済が済めばゼロになる)をフリーキャッシュフローというわけだ。そして、この営業、投資、財務のキャッシュフローをすべて足したものが「資金繰り表」といって、これがマイナスになれば、この状況が続けば企業はいずれ破綻する。

PLをみて、黒字だ、赤字だと一喜一憂するまえに、企業がだしている「キャッシュフロー計算書」をしっかりみて、メディアが騒いでいるものが正しいものか否かをしっかり見てもらいたい。

なお、本日は「本質的なコンセプト」を分かりやすく解説するため、現在価値や金利、不確実性などファイナンスで用いられる難解な概念はあえて切り捨てた。基礎をしっかりと理解してほしいからだ。

 

 

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プロフィール

株式会社FRI & Company ltd..代表 Arthur D Little Japan, Kurt Salmon US inc, Accenture stratgy, 日本IBMのパートナー等、世界企業のマネジメントを歴任。大手通販 (株)スクロール(東証一部上場)の社外取締役 (2016年5月まで)。The longreachgroup(投資ファンド)のマネジメントアドバイザを経て、最近はスタートアップ企業のIPO支援、DX戦略などアパレル産業以外に業務は拡大。会社のヴィジョンは小さな総合病院

著作:アパレル三部作「ブランドで競争する技術」「生き残るアパレル死ぬアパレル」「知らなきゃいけないアパレルの話」。メディア出演:「クローズアップ現代」「ABEMA TV」「海外向け衛星放送Bizbuzz Japan」「テレビ広島」「NHKニュース」。経済産業省有識者会議に出席し産業政策を提言。デジタルSPA、Tokyo city showroom 戦略など斬新な戦略コンセプトを産業界へ提言

 

筆者へのコンタクト
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記事執筆者

河合 拓 / 株式会社FRI & Company ltd.. 代表

株式会社FRI & Company ltd..代表 Arthur D Little Japan, Kurt Salmon US inc, Accenture stratgy, 日本IBMのパートナー等、世界企業のマネジメントを歴任。大手通販 (株)スクロール(東証一部上場)の社外取締役 (2016年5月まで)。The longreachgroup(投資ファンド)のマネジメントアドバイザを経て、最近はスタートアップ企業のIPO支援、DX戦略などアパレル産業以外に業務は拡大。会社のヴィジョンは小さな総合病院

著作:アパレル三部作「ブランドで競争する技術」「生き残るアパレル死ぬアパレル」「知らなきゃいけないアパレルの話」。メディア出演:「クローズアップ現代」「ABEMA TV」「海外向け衛星放送Bizbuzz Japan」「テレビ広島」「NHKニュース」。経済産業省有識者会議に出席し産業政策を提言。デジタルSPA、Tokyo city showroom 戦略など斬新な戦略コンセプトを産業界へ提言

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