レシートは語る第5回 大手食品小売のアプリ利用率比較 最高はベイシア、メーン顧客8割が使用
利用促進で重要となる
3つの基本機能を磨く
最後に、各チェーンのアプリで「利用する機能」について聞くと、平均値で高い順に「クーポン(71.6%)」、「チラシ閲覧(50.1%)」、「会員証/ポイントカード(47.4%)」となった(図表3)。
回答が図表2の「利用のきっかけ」と類似するため、この3つの機能をいかに「簡単で使いやすくするか」が、アプリ活用を促すための肝であり、消費者がもっとも望む基本的な機能であると思われる。

なかでもベイシアの「ベイシアアプリ」では、軌道後最初に見える画面で、ポイントカード、決済(PayPayのみ連携可)、アプリ限定価格商品、おすすめ商品が一覧で見られるように工夫されている。利用者にとっては、今お得な商品は何かわかりやすく、決済時に会員証やクーポン提示の切り替えがスムーズであると推測でき、これが高い利用率につながっていると想定される。
そのほかアンケートでは、アプリ利用者に「使っていて不便だと感じること」を尋ねた。結果、「アプリがスムーズに開かない」「うまくログインできない時がある」「レジでクーポンを掲示するまでに時間がかかる」などが多く挙がった。操作性の向上はもちろんのこと、店舗におけるネット環境の状態も今一度確認する必要がありそうだ。
【調査概要】
図表1・2・3
調査対象:全国のPOB会員アンケートモニター 1634人
調査日時:2021年7月7日~12日
調査方法:Web媒体「レシートで貯める」「レシート de Ponta」を利用したインターネットリサーチ
調査機関:ソフトブレーン・フィールド
【執筆者】
山室直経(やまむろ・なおつね)
神奈川大学経営工学科卒業。パソコンメーカーを経て、米リサーチ会社にてコンサルティング業務を学ぶ。その後、大手家電量販店子会社のパソコンメーカーで経営企画室に従事。計数管理とERP導入による業務改善などのプロジェクトを経験した後、2012年3月ソフトブレーン・フィールド入社、消費者購買データ事業の新規立ち上げを行う。
現在はデータを軸とした事業開発と当社の基幹システムのDX戦略を担う
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