三菱商事ファッションの無在庫アパレル「THE ME」デジタル活用が可能にする短納期ビジネスモデルとは?
ビジネスモデルの提供進める
現在、THE MEの会員登録数は800名ほど。「まだまだ工場に甘えているのが現状です」(同)。目下の課題は縫製工場への安定的な発注量を確保することだ。一人でも多くの消費者に興味を持ってもらうため、インスタグラムなどのSNSで消費者とコミュニケーションを図り来店へと促したい考えだ。そのためにも「我々のSNSの感度をあげる必要がある」と語る。
アパレル業界は、既製品は厳しい状況が続くなか、オーダーはコロナ禍でも比較的堅調に推移する。しかもオーダーメードはセールをする必要がないから、プロパー消化率は理論上100%、利益率の管理もしやすく、セールに関わる各種手間・人手も必要ない。
THE MEがファンを増やし、「量産しなくても成立する」新しいビジネスモデルであることを証明できれば、同様のビジネスは業界内で一気に増えるだろう。
すでに三菱商事ファッションはアパレル企業複数社に対して、このビジネスモデルの導入を商談中だ。どのアパレル企業も、無駄な在庫を持ちたくないし、かといって機会ロスを容認したくもない。
アパレル業界全体が新たなビジネスモデルを模索するなか、三菱商事ファッションの挑戦は1つの解となるかもしれない。