プロセスセンター開発など生鮮強化するゲンキー、藤永賢一社長が語る、これからの急成長戦略!
総菜は「PCの安心感」がモノをいう時代になる

──生鮮を含む食品の販売動向はいかがでしょうか。コロナ禍での“内食回帰”の動きからSMでは総菜が伸び悩むといった動きも見られます。
藤永 総菜を含めてカテゴリーごとの濃淡はあまりなく、総じて好調といえます。SMの総菜の落ち込みは内食需要のあおりももちろんありますが、これまで売り手が重視してきたインストア加工による鮮度感や出来立て感よりも、衛生面の安心安全をより重視する消費者が増えた結果であるとも見ています。
つまり、店内でつくる出来立ての総菜よりも、安全基準をクリアしたPCで製造している商品のほうが安心だ、と支持を集める時代を迎えているのではないでしょうか。その点、われわれの総菜は100%アウトパックですし、昨年9月に岐阜県安八町に開設した生鮮PCの存在は本当に大きいと思います。
──その生鮮PCの稼働状況はいかがですか。
藤永 おにぎりや総菜、精肉などをはじめ製造アイテム数は順調に増えていて、現在約30アイテムを供給しています。ただ、製造能力や人員体制を最大化するには至っていません。最大で500店舗へ供給できるキャパシティがありますので、今後1年以内にはその規模にまで引き上げたいと考えています。
──総菜やプライベートブランド(PB)など、独自商品の開発の方向性について教えてください。
藤永 基本的には新規開発よりも既存商品のブラッシュアップあるいはラインアップ拡充を重視していて、開発現場には「ヒット商品をつくるな」とさえ言っています。つまり、一過性の話題で終わってしまうような奇をてらった商品ではなく、今ある商品の課題を改善し、よりよいものにしようということです。
──PBに関しては、昨年「SPA推進部」を立ち上げました。海外メーカーや工場と連携した商品づくりは進んでいますか。
藤永 それについてはコロナの影響を大きく受けています。マレーシアのようにロックダウン(都市封鎖)がほとんど緩和されていない国もあり、現地へ渡航できない状態が続いています。とくに製造現場を確認できないと、不良品率が上がるなど品質低下にもつながるため、開発スピードはコロナ前から落ちているのが実情です。そのため現在は、国内メーカーとの共同開発も増えています。
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