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島忠がニトリと経営統合へ、TOBに賛同 岡野社長「プラス大きい」

ニトリホールディングス札幌本社のロゴマーク看板
島忠は13日、ニトリホールディングスとの経営統合契約を締結することを決議したと発表した。写真は2016年10月、家具量販店大手のニトリホールディングス札幌本社のロゴマーク看板(2020年 時事通信)

[東京 13日 ロイター] – 島忠は13日、ニトリホールディングスとの経営統合契約を締結することを決議したと発表した。ニトリによる株式公開買い付け(TOB)への賛同を表明した。先にTOBを行っていたDCMホールディングスの1株4200円を大きく上回る価格を提示したことも含め、島忠はニトリへの賛同に転じた。

目指すべきゴールは一致

TOB期間は11月16日から12月28日までとなっている。価格は10月29日に発表した1株5500円。最大2200億円を投じて完全子会社化する。

ニトリHDの似鳥昭雄会長兼CEO(最高経営責任者)は会見で「目指すべきゴールは一致している」と述べ、「今回の決断が日本や世界の人々にとってより豊かな住まいに変わっていく大きな転換点だったと思ってもらえるように両社で努力したい」とした。

島忠は人口の多い関東の好立地に60店舗を有している。共同仕入れや商品開発面でもシナジーがあるとみている。

岡野恭明社長は、企業価値最大化や株主・従業員の利益にはニトリHDとの経営統合が最善と判断したと説明。「フラットな視点で検討した。商品開発、店舗開発のノウハウ、海外展開など島忠にとって大きなプラスになる」とした。

岡野社長がDCMに連絡した際、DCMがTOB価格を引き上げるとは聞いていないとした。

5年間は経営体制・雇用を維持

両社は経営統合委員会を立ち上げ、5カ年の経営計画を策定する。ニトリHDの白井俊之社長兼COO(最高執行責任者)は「5年間は島忠の経営体制は現行体制を維持する。雇用も5年間は基本的に維持する」と述べた。また、島忠のブランドも維持する方針で、ニトリブランドへの転換は「考えていない」(似鳥会長)とした。

TOB成立後には、ニトリから3名の取締役を島忠に送る。一方、島忠の岡野社長をニトリHDの取締役に迎えるほか、4名の執行役員も加わることになる。

島忠株については、旧村上ファンド系のシティインデックスイレブンス(東京・渋谷)が一時8.38%を保有していたが、直近では、6.30%に低下している。

10月末のニトリの対抗TOB発表を受けて、島忠の株価は一時5650円まで上昇。DCMのTOB価格を大きく上回って推移していた。13日の終値は5510円。