激動の流通 #4 ニトリ、売上高3兆円までの道のり

2021/01/04 05:55
森田俊一(流通ジャーナリスト)
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ホームセンターの島忠(埼玉県)をめぐる争奪戦を、“後出しジャンケン”ながらDCMホールディングス(東京都:以下、DCM)に競り勝ったのは、ニトリホールディングス(東京都:以下、ニトリ)だった。ニトリは島忠の取得で、2032年に売上高3兆円という壮大な構想の推進にはずみをつける。21年以降、ニトリは流通業界の“台風の目”になりそうだ。

ニトリ

ニトリは衣料品専門店を展開するねらい

 ニトリには、家具・インテリア専門店ではない、密かに拡大中の業態がある。カジュアル衣料の専門店である「N+(エヌプラス)」だ。

 現在のエヌプラスの店舗数は、2020年内にオープン予定の店を含め13店舗。まだ実験の域にとどまっているとしているが、ニトリが掲げる「3兆円構想」のパーツの1つになるとみられている。

 なぜ、ニトリがカジュアル衣料なのか。ニトリのビジネスモデルである製造小売業(SPA)という手法を使えば、婦人服も、家具インテリア専門店と同じように成功できると踏んでいるのだろうか。

 ニトリの似鳥昭雄会長は北海道新聞のインタビューで、エヌプラスについて「30~60歳くらいの女性向けにコーディネイトができるブランドをめざしている」とコメント。似鳥会長は、30~60代の消費者が気軽にコーディネイトできる大衆価格のアパレルを扱う店がないとしており、こうした空白に市場に参入し、さらに家具インテリアを合わせて購入してもらうねらいもあるのではないかとみられる。ホームファニシングの「ニトリ」とアパレル専門店を複合的に出店し、ライフスタイルに合わせた商品を集中的に提案していくという展開も考えられる。

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