禁断、ユニクロが百貨店で売られる!アパレル業界で起こる、アフターコロナ5つの大変化!
働き方が激変する
今、新型コロナに苦しんでいる企業を横目で見ながら「左うちわ」で暮らしているのがEC企業だ。昨今の自宅待機によって、多くのホワイトカラーが、自宅でSkype、Zoom、Web EX、Teamsなど、無料のソフトウエアを使い、PowerPointを投影しながら複数の人間と会議ができる技を覚えてしまった。
私も、最近は一切会社には行かないが、何ら業務に支障は無い。「かなりイレギュラーなことだ」と最初は感じたが、もう慣れた。先日も、初対面のクライアントに対しSkypeでご挨拶をしたばかりだし、現在は地方の大手企業の戦略立案の仕事はTeamsを使ってやっている。社内の会議もすべてWeb EXで十分だ。前述のように、ニューヨークや中国とも無料のアプリで話ができるし、実際にやっている。このように、(職種にもよるが)会社など行かなくとも業務が遂行できる人は少なくない。
したがって、アフターコロナの世界では、今の「なんちゃって働き方改革」は消滅し、本当の意味での「働き方改革」が実現することになる。
企業側からすると、従業員の評価軸から「日々の勤務態度」という項目は消え、「与えた成果の質とスピード」という項目に変わる。また、従業員の通勤手当も大きく減少してコスト削減になるし、従業員は体調が悪い場合は早朝に起きる必要は無い。従業員は、平日だろうが休日だろうが休みたいときは自由に休み、気晴らしに近くのカフェにいってもよい。
2020年4月某日、この原稿を書いている時に、私は大手地方企業とデジタルプラットフォーム戦略の仕事をSkypeで行っており、クライアントも自宅から接続し、社内の共有ミーティングもSkypeだ。なんの問題もないし、むしろ自宅から仕事ができるので精神的にもとても落ち着いてマイペースで仕事ができる。名刺交換はアプリのeightなどを使ってクラウドで行えばよいし、ビジネスパートナーのアドレスはクラウドで従業員がスマホでアクセスすることができるようになる。
EC化におくれた企業は死滅
ビジネスも大きく変わる。今、コロナショックで巣ごもりしている企業は、アフターコロナの時代に「負け組」となる。自前主義に拘り、Amazonや楽天との差別化戦略や顧客の囲い込みによるLTV最大化など、基本的なEC戦略を踏まえた上での投資ができていないからだ。
今は、金が無くとも事業計画がキチンとしていれば金は必ずついてくる。運転資本まで食い潰し、のたうち回っている企業は救いようはないことはいうまでもない。人類がウイルスに負けた歴史は過去一度も無いわけだから、この騒ぎは1年で沈静化するというのがアナリスト達の見方だ。コロナウイルス感染拡大が沈静化し次第、一気にDX (デジタルトランスフォーメーション)をスタートさせるべく、その準備をしているところなのだ。
ECというのは、単にハイブリス(SAPが開発した、オムニチャネルのパッケージソフトウエア)を導入し、ECを立ち上げればよいなどという簡単なものではない。業務を知らないデジタルベンダーの売上至上主義にのせられてはならない。なんら効果のないデジタル化に過剰投資をおこなって、倒れてゆく企業を我々は横目で見ながら学んだはずだ。戦略なきデジタル投資は金をドブに捨てるようなものだ。
デジタル投資というのは、①モール型にするのか専門店にするのか、②価格勝負を避けるためにはどうすべきか、③新規顧客開拓をどう行い、どう囲い込み育成するのか、④ネットガリバーと「悪魔との契約」を結ばずに、顧客データを守りながら売上をあげるためにはどうすべきなのか、など、その企業固有の検討すべき戦略的論点は山のようにあり、これらの絵を白紙の上に描かねばならない。加えていうなら、もはや、売り方だけを高度化しても、それは勝利の必要条件であっても十分条件ではない。前回説明したように、重複機能をそぎ落とし、商社をプラットフォームハブにしたセルサイドとバイサイドのデータ連係を行ったデジタルSPAは、仮想敵国であるユニクロとの価格差を埋められるほどのコスパを持つことができる。