オワコンかは関係なし!アパレル企業に投資して大勝ちする4つのポイント

河合 拓 (株式会社FRI & Company ltd..代表)
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構造的なインフレが始まっている。今後、政策金利は下がることはないだろう。一方で業績の良い大企業では給与所得は上がるかもしれないが、個人レベルでみれば給与アップなど望めない人の方が多いだろう。NISA(小額投資制度)の後押しもあり、「国民総投資家時代」の幕開けというわけだ。
そうしたなかで、今回はいかにして株式投資で資産を増やすべきか、そのなかでアパレル企業への投資が実は有力な選択肢の1つとなりうること、そこで勝つための手法を解説したい(本論考は特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資は自己責任でお願いします)。

VTT Studio/istock
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安易な“億り人”本を鵜呑みにするな

 まず、皆さんに申し上げたいのは、勉強せずして資産を増やすなどというのはあまりに虫が良すぎる考えだということだ。書店に行けば、「たった10万円から1億円へ」「あなたの資産を数億円にする。“億り人”になろう」など、「頭を使わずに、この株を買えば金持ちになれる」という初心者に響く題名をつけた本が並ぶ。

 だが、こうした本に安易に飛びつくのは危険だ。都合の良い状況が今後も続くことを前提につくられているからである(もちろん、その前提通りになれば億り人になれるが、不確実性は極めて高い)。もちろん著者は自分なりのメソッドでやったわけだが、それが他人においても再現性があるとは限らないし、運もある。そのことを知らずに単にマネだけするのは危険だということだ。

 「これからは、売上・利益などあなたには全く関係ない指標を追いかけてもしかたない。また、業績が良い企業の株は人気があるため、あなたが買いたいと思った時にはすでに、プロが大量買いして株価が上がった後だ。さらには「アパレル業界などオワコンだから株式を買ってはいけない」というのも間違いだ。

 株式投資で儲けようと思ったら、下落時と高騰時の差が大きい、つまりボラティリティが高い株式銘柄ほど儲け幅が大きくなるが、同時に損失幅も大きくなる。一方、下落時と高騰時の差が小さい株式ほど儲け幅と損失幅が小さくなるのだ。

 こうした話をすると、必ずでてくるのは「元本保証(投資した金額は絶対に回収できる)し、上がる株はないのか」というものだが、そんなものはない。光があるところには闇があり、良いことがあれば悪いこともある。株式投資における損と得は裏腹なのだ。

 かくいう私のパフォーマンスを申し上げると、2024年は自分の投資のやり方を守ることで数百万円の儲けを出した。ここまで儲けがでると「働くのが馬鹿らしくなってくる」ほどだ。いろいろな人がいろいろな投資法を述べているが、私の直近5年の経験から言って答えは一つ。「そんなものはない」が正解である。

 だから、こうしろ、ああしろ、あればいい、これがいいというのは信じない方がいい。自分で考え、自分で仮説を立て、その通りに行くか、行かないか、それを愚直に繰り返すことで儲けが決まる。これが投資なのである。

 次にこれから始める人に向けて、投資の始め方と私が実際どういう風に始めたかをお伝えしたい。

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記事執筆者

河合 拓 / 株式会社FRI & Company ltd.. 代表

株式会社FRI & Company ltd..代表 Arthur D Little Japan, Kurt Salmon US inc, Accenture stratgy, 日本IBMのパートナー等、世界企業のマネジメントを歴任。大手通販 (株)スクロール(東証一部上場)の社外取締役 (2016年5月まで)。The longreachgroup(投資ファンド)のマネジメントアドバイザを経て、最近はスタートアップ企業のIPO支援、DX戦略などアパレル産業以外に業務は拡大。会社のヴィジョンは小さな総合病院

著作:アパレル三部作「ブランドで競争する技術」「生き残るアパレル死ぬアパレル」「知らなきゃいけないアパレルの話」。メディア出演:「クローズアップ現代」「ABEMA TV」「海外向け衛星放送Bizbuzz Japan」「テレビ広島」「NHKニュース」。経済産業省有識者会議に出席し産業政策を提言。デジタルSPA、Tokyo city showroom 戦略など斬新な戦略コンセプトを産業界へ提言

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