1月に台湾進出のロピア、飲食の新業態出店のねらいと今後の戦略

2023/01/05 05:56
大宮 弓絵 (ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長)
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 1月17日、いよいよロピアの海外進出1号店が台湾でオープンする。同店では、食品スーパーとともに飲食業態も出店する計画だ。その背景にあるロピアの海外事業の成長戦略と、同社の外食事業の新たな動きを伝える。

2つの飲食の新業態と
話題の店「黒泉」を併設

LOPIAイメ―ジ
「ららぽーと台中」に出店する「LOPIA」のイメ―ジ

 ロピアの台湾1号店が出店するのは、三井不動産(東京都)が台湾に初めて開業する「ららぽーと」業態である「三井ショッピングパーク ららぽーと台中」の南館地下1階だ。

 三井不動産のニュースリリースによると、食品スーパー「LOPIA」では肉の専門店出身ならではの強みを生かし、こだわりの精肉や自社生産のウインナー、ハムなどの加工肉を販売するほか、生鮮食品やプライベートブランド商品など豊富な品揃えを提供するという。

 注目したいのが、同店がロピア直営の飲食業態を併設するという点だ。イートインコーナーでは、2つの新業態「肉処 肉源」「日本橋 魚萬」を導入。それぞれ、店頭で扱う素材を使い肉料理、海鮮丼を提供する。

左
イートインコーナーで展開するという「肉処 肉源」(左)「日本橋 魚萬」(右)のイメ―ジ

 さらに、千葉県松戸市の「ロピア松戸店」内に出店し予約困難な店として話題を集めた割烹料理店「黒泉」(現在は閉鎖)が、「そのまま移転オープン」するという。

 この飲食業態の出店は、ロピアが数年前から戦略的に準備を進めてきたものである。

 ロピアは2019年に新会社eatopia(イートピア:神奈川県)を立ちあげ、外食事業に参入。同年には、前出の「黒泉」のほか、東京・銀座に高級焼き肉店の「銀座山科」を開業した。さらに20年には、東京・小石川にあるミシュラン1つ星獲得のステーキハウス「小石川中勢以」の営業を、運営会社からの一部事業譲渡により手掛け始めるなど、一見、主力事業の食品スーパーとは直接結びつかないような高質な飲食業態を展開してきた。

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記事執筆者

大宮 弓絵 / ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長

1986年生まれ。福井県芦原温泉出身。同志社女子大学卒業後、東海地方のケーブルテレビ局でキャスターとして勤務。その後、『ダイヤモンド・チェーンストア』の編集記者に転身。最近の担当特集は、コンビニ、生協・食品EC、物流など。ウェビナーや業界イベントの司会、コーディネーターも務める。2022年より食品小売業界の優れたサステナビリティ施策を表彰する「サステナブル・リテイリング表彰」を立ち上げるなど、情報を通じて業界の活性化に貢献することをめざす。グロービス経営大学院 経営学修士

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