店舗数、M&A、総菜、ネットスーパー。いよいよ拡大路線に=西友兼ウォルマートジャパンCEO

聞き手:千田 直哉 (株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア編集局 局長)
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M&Aは地方の小規模SMチェーンも対象

──さて、次のM&Aということでは、現在交渉を進めている案件はありますか?

スティーブ M&Aに関しては、われわれはとても興味を持っていますし、積極的に動いています。いくつかのパートナーさんと話を進めていますが、それについての具体的なコメントは差し控えます。

──M&Aを実施しようとする際には、財務状況や売上規模の大小など、企業のどの部分を見ていますか。

スティーブ われわれは、財務状況が健全で、しっかりとマネジメントされている企業を求めています。ただし、「箱」だけを対象にM&Aを行うわけではなく、企業で働く人材の力にも注目します。それというのも、その中に、将来的にウォルマートのグローバルなステージで活躍する人材がいる可能性があるからです。

 M&Aの対象は、さまざまですし、各企業を取り巻く状況もそれぞれ異なります。M&Aをオファーする側としては、柔軟性を持っていなければなりません。「どのような企業を求めているのか」、「どのような状況でM&Aを実現していくのか」ということについて、フレキシブルでありたいと考えています。

 たとえばM&Aの手法も、ウォルマートの場合はさまざまです。最近の例では、過半数(=マジョリティ)を握るというよりは、ジョイントベンチャー的なM&Aもあります。つい最近、南アフリカで行ったM&Aでは、ウォルマートが51%の株主になりました。つまり持ち株の割合・比率というのも状況によって変わります。ですから、M&Aの手法にも柔軟性を持っていきたいと考えています。

──日本でのM&Aの対象はSM企業になるのですか?

スティーブ そうですね。小規模なSMチェーンとなる可能性もあると思います。われわれはSM事業を拡大する非常に強いビジネスモデルを持っています。

 対象は、大都市圏の小売企業のみならず、地方のSMチェーンも含まれます。そういったSMチェーンの方々と一緒に働くことによって、そのエリアに住むお客さまの生活に今まで以上に貢献することができる可能性があると考えています。

 たとえば、私が地方にある小さなSMチェーンのオーナーだったとします。ある企業からM&Aを打診されたときに、私がいちばん懸念するのは、今まで支持してもらった地元のお客さまに、「これまで以上に貢献できるだろうか」ということです。お客さまに今まで以上の付加価値を提供できなければ、M&Aの意味はありません。

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聞き手

千田 直哉 / 株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア 編集局 局長

東京都生まれ。1992年ダイヤモンド・フリードマン社(現:ダイヤモンド・リテイルメディア)入社。『チェーンストアエイジ』誌編集記者、『ゼネラルマーチャンダイザー』誌副編集長、『ダイヤモンド ホームセンター』誌編集長を経て、2008年、『チェーンストアエイジ』誌編集長就任。2015年、『ダイヤモンド・ドラッグストア』誌編集長(兼任)就任。2016年、編集局局長就任(現任)。現在に至る。
※2015年4月、『チェーンストアエイジ』誌は『ダイヤモンド・チェーンストア』誌に誌名を変更。

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