Woltが事業を本格的に拡大、処方薬の配送も 2022年は日本の「Qコマース元年」に
配達専用スーパーも拠点を拡大へ
このほか、ウォルトは店舗を構えず、自社で食品や日用品を仕入れて配送する配達専用スーパー「ウォルトマーケット」を札幌、函館、広島など8拠点(ダークストア)で展開しているが、初夏には東北に進出。その後、今年後半から全国各地に拡大する。
世界ではフィンランドなど14カ国・58拠点で展開しているが、日本では昨年12月に札幌市でスタートした。生鮮品や日配品、飲料などの食品や日用品、ベビー用品、介護用品など約2000品目を扱い、倉庫となる拠点から半径5㎞以内に注文から30分程度で配送している。「日本(札幌)では30~45歳の女性や一人暮らしの人の利用が多い」と福井優貴エクスパンションマネジャーは明かす。
こうしたさまざまな切り口でお客のニーズをすくい取り、同社はQコマースの市場を拡大する。「フードデリバリーはあくまで入り口。今は食品や日用品を拡大しており、その先にはライフスタイル商品や家電の扱いもイメージしている」と高木リテール事業本部長は話していた、
なおアメリカのフードデリバリー大手のドアダッシュが昨年11月に同業で欧州に強みを持つウォルトを株式交換によって買収すると発表し、現在、買収手続きは完了していないが、同社では「アメリカの法令上、コメントができない」とした。ドアダッシュも昨年6月に日本に進出しており、買収手続きが完了すれば、日本市場における拡大戦略の進め方は若干変化する可能性がある。