【イオン】体験型売場を拡充へ旗艦店の「イオンモール幕張新都心」で披露

2014/02/16 00:00
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イオン(千葉県/岡田元也社長)は12月20日、千葉県千葉市に国内最大級のショッピングセンター(SC)「イオンモール幕張新都心」をオープンした。しつけ教室からリハビリ施設まで揃う総合ペットショップを導入したほか、スポーツ用品のお試しコーナーなど体験型売場を拡充、「モノ(物販)からコト(サービス)へ」の経営方針を一段と明確にした。 文=野澤正毅

 

GMSでは初めてオムニチャネルも開始

 

 イオンモール幕張新都心は、延床面積約40万2000平方メートル(立体駐車場含む)、総賃貸面積約12万8000平方メートルという超弩級の大型SC。大人向けのライフスタイルを提案する「グランドモール」、キッズを中心とした「ファミリーモール」、スポーツと家電の「アクティブモール」、ペット関連の「ペットモール」という4棟で構成されている。端から端まで約1・5kmもあり、SC内を無料シャトルバスが巡回する。

 

 直営総合スーパー(GMS)「イオン幕張新都心店」(売場面積2万1650平方メートル)を核店舗として、360のテナントを誘致。うち92店舗が新業態だという。年間来場者数3500万人を見込む。イオン本社のおひざ元での開業だけに、同社の総力を結集した“旗艦店”と位置づける。

 

 直営売場では、薬局と健康・美容用品コーナーを統合した専門店型売場「グラムビューティーク」が初出店。化粧品や美容機器が試せるドレッサールーム、ネイルサロンなども設けている。自転車売場では試乗スペースも配置、子ども向けの自転車教室も開く。ダイニング売場では、店内の調理器具を使って料理を実演する「キッチンステーション」も導入した。

 

 グランドモールでは、芸人のカルチャースクールも開講する新しいコンセプトの「よしもと幕張イオンモール劇場」、「クールジャパン」をテーマにサブカルグッズ専門店を集積した「ジャパンポップジャングル」を開設。デンマークの雑貨専門店「ソストレーネグレーネ」は日本第1号店だ。ファミリーモールでは、職業体験ができるテーマパーク「カンドゥー」(米国)が日本初進出。特撮ヒーローになりきって遊べる体験型ミュージアム「東映ヒーローワールド」も呼び物のひとつだ。

 

 アクティブモールは「日本最大級の体験型スポーツモール」を標ぼう。スポーツオーソリティの店内(約4500坪)には、野球やゴルフ、サッカーなどのスポーツ用具のお試しコーナーが随所にあり、元プロの指導も受けられる。ボルダリング専用スペースやフットサル&テニスコートも併設している。

 

 ペットモールには、2000平方メートル規模という日本最大級の総合ペットショップ「ペコス」(イオンペット)が入居。トリミング、ペットホテル(約100室)、しつけ教室だけでなく、24時間診療の動物病院まで完備。ホテルでは介護サービスを提供、しつけ教室では老化予防の脳トレ、病院ではリハビリを実施するなど、高齢のペットへのサービス体制も強化した。また、ペットの健康に配慮したデリカ&スイーツのコーナーも新設。イートインコーナーでペットと一緒に食事を楽しめるほか、ペット用デリカ&スイーツのクッキング教室も開催するという。

 

 一方、GMSでは、リアル店舗やネット通販などあらゆる販路を連携させる「オムニチャネル」に初めて取り組む。店舗にない商品を店内専用タブレット端末で注文、店頭受け取りや宅配を選べるサービス「タッチ・ゲット」は、幕張新都心店を皮切りに、GMS約500店舗で順次取り入れる予定。スマートフォンを店頭のPOPなどにかざすと、レシピや商品情報が取り出せるサービスもスタートさせる。

 

 ホームセンター(HC)では、一部を除いてコト提案が立ち遅れている。同SCが住居関連分野で展開している体験サービスは、HCにとっても、大いに参考になりそうだ。

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