ソフトバンクG、10万人接種に向け職域接種の実地訓練
[東京 11日 ロイター] – ソフトバンクグループは11日、従業員を対象とする新型コロナウイルスワクチン職域接種のリハーサルを行った。実際に21日から使用する会場で、接種・運営に当たる看護師や事務職員が患者役の従業員を相手に、誘導や手順を確認した。
「この椅子はどけて、通り道をもう少し広げよう」、「(接種前の)予診で質問をする人が意外に多いね」。米シェアオフィス大手ウィーワークの乃木坂オフィス。その奥では、同社関係者が大規模接種会場の運営という未経験のプロジェクトに向けて対話を重ねていた。
同社グループは社員とその家族10万人のうち、希望者全員への接種を目指している。それに先立ち、15日から医療関係者向けに無償の接種も開始する。「ワクチン接種の拡大に我々も少しでも貢献したいと思います」。孫正義会長は今月1日、こうツイートした。
乃木坂オフィスには2つの会場を設置。1日あたり1320人、1週間で8000人程度の接種が可能になるという。
会場運営を担当する池田昌人ソフトバンクCSR本部長によると、設営まで社内で数多くの議論を重ねたという。「普段からイベントを手掛けているメンバーのやり方だけで整理すると事故につながりかねないし、医療従事者の言う通り大変丁寧なやり方では、より多くの人材や広さが必要になる」。
池田氏は、「関係者が一同に集まって、ひとつの目的に向かってディスカッションすることが重要だった」と話す。
政府は職域接種の推進で、日本の接種率引き上げを狙うが、多くの従業員を抱える企業側では「打ち手も場所もすべてが手探り」(大手企業の総務担当者)という状況が続いている。
報道よると、河野太郎ワクチン担当相は午前の記者会見で、計1583会場から職域接種の申請があったと明らかにした。