京都人はパンをよく食べる?! 激戦区で人気絶大のベーカリーショップの名店を探訪

2023/09/29 05:59
森本 守人 (サテライトスコープ代表)
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京都人はよくパンを食べる。消費量、額とも全国上位で、今も新店や話題店が続々と登場している。ビジネスの観点からすると競争が激しいことを意味するが、そうした環境下でも昔ながらの商品でファンをつかむベーカリーショップがある。人気の秘密を確認するため、私は現地へ向かった。

創業80年近い、京都のまるき製パン所

高校時代、あの女性漫才師も通っていた

 阪急電鉄京都線の「大宮」駅──。大阪から京都に来る場合、古くは同駅止まりだったことを知っている人は少なくなりつつある。それもそのはず、現在のように河原町まで延伸されたのは1963年(昭和38年)のことだからだ。歴史を振り返りながら駅舎を見ると、現在も外観はどことなく終着駅の雰囲気を感じるのは私だけだろうか。

現在もどことなく終着駅を感じさせる阪急電鉄京都線、「大宮」駅の外観

 終着ともなると、駅周辺は今以上に賑わっていたと推測できる。しかし今は昔、かつて大いに栄えていたであろうことがわかる、やや古びた、味わいのある街並みが大宮エリアの特徴であり、今日も人々を惹きつける魅力である。

 その大宮駅から南へ500m、松原大宮の交差点を東へ100m進んだ南側に立地するのがベーカリーショップ「まるき製パン所」(京都市下京区)だ。木造家屋の1階が店舗になっており、売場はわずか数坪。5人も入れば、窮屈に感じるほどの狭小空間だ。

「大宮」駅から南へ500mの場所にある「まるき製パン所」
狭小店舗だが多くのファンがいる。しばらく観察していると、お客がひっきりなしにやってくる

 それでも店には多くのファンがいる。前に立ち、しばらく観察していると、お客がひっきりなしにやってくる。徒歩、自転車が中心だが、中にはオートバイ、さらに車を使って遠くから来店する人も目立つ。

 メーンの商品は、長細いパンに各種具材を入れたコッペパンサンド。特別な何かを挟んでいるわけではなく、ハムやベーコン、ウインナー、コロッケなど、中身は昔ながらのごく素朴なものが中心である。

 創業はまだ戦後の香りが残る1947年(昭和22年)。以来、80年近くの長い間、地域に密着したパン屋さんとして親しまれてきた。女性漫才コンビのレジェンド、今いくよ・くるよのお二人が高校時代、通った店としても知られる。

 なぜこの店が、激戦区、京都で支持されるのか。理由を探るため、早速、現地に向かった。

 私が店を訪れたのは午後1時過ぎの、ピークタイムを過ぎた頃。にもかかわらず、数組のお客がおり、店内に入るのは少し待つ必要があった。

 数分して店内へ。人気商品を店員に聞くとあれこれ教えてくれた。それを参考に、私は3種類のパン、そしてドリンクを買い、店外に出た。振り返ると、また新しいお客がまた来て、買い物をしている。途切れない客足。こんな商売だと楽しいだろうなと思った。

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記事執筆者

森本 守人 / サテライトスコープ代表

 京都市出身。大手食品メーカーの営業マンとして社会人デビューを果たした後、パン職人、ミュージシャン、会社役員などを経てフリーの文筆家となる。「競争力を生む戦略、組織」をテーマに、流通、製造など、おもにビジネス分野を取材。文筆業以外では政府公認カメラマンとしてゴルバチョフ氏を撮影する。サテライトスコープ代表。「当コーナーは、京都の魅力を体験型レポートで発信します」。

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