思わず「ブラボー!」、知られざる京都の一面 日本最古の中央卸売市場で楽しむ老舗定食屋の味

2022/12/16 05:55
森本 守人 (サテライトスコープ代表)
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生鮮食品の流通で重要な役割を果たしている中央卸売市場は、北海道から九州、沖縄まで全国に分布する。数ある中央卸売市場の中で、日本で最初に開設されたのが「京都市中央卸売市場第一市場」だ。そんな「食の原点」とも言える場所を訪れ、空腹を満たしてやろうというのが今回の企画である。
※現在は閉店

今回は、空腹を京都の中央卸売市場で満たすという企画だ

期待に胸を膨らませて入店

 古都の玄関口、JR「京都」駅から山陰本線に乗って1駅の「梅小路京都西」駅周辺には、「京都水族館」や「梅小路鉄道博物館」など、寺社仏閣とは一味違った楽しいスポットが点在する。そのため近年はカップルや家族連れ、観光客が増えている。

 その一角にあるのが京都市中央卸売市場。開業は1927年(昭和2年)、今年95周年を迎えた日本でもっとも古い中央卸売市場である。現在、全国各地にある市場の多くは、京都をモデルにしたものと考えられる。

 長い歴史を持つ反面、施設は老朽化している。これを受け、近年、行われているのが建て替え工事。同時に食文化の継承、情報発信の拠点としての再整備計画も進む。

 計画の一環で、2020年7月には京都の「食」や「職」をテーマとするコーナー、またホテルが入る大型の複合施設が開業した。中央卸売市場から直送の鮮魚を使った寿司店が店を構えるなど、一体となった取り組みも見られる。

2020年7月には京都の「食」や「職」をテーマとするコーナー、またホテルが入る大型の複合施設が開業

 今後、計画の進行に伴って構想が具現化していけば、今以上に魅力的なエリアになっていくのは間違いない。

 今回はそんな京都市中央卸売市場で昼食をいただくというお話。気持ちを盛り上げるため、朝から一切何も口にしていない。中央市場の新鮮な素材を使った食事で、“完全空腹状態”の胃袋を一気に満たしてやろうという目論みだ。

 市場の南側から入る。七条新千本交差点を北進すると完成した水産棟が見える。そのまま通り過ぎ、しばらくして左手に3階建ての事務所棟が現れる。そこを左折、2つめの建物が、お目当ての店が入る11号棟である。

市場の南側から入る。七条新千本交差点を北進すると完成した水産棟が見える

 足を踏み入れると市場関係業者が数多く入居する通路に、今回の舞台となる「割烹 マキノ」がある。市場内にある飲食店としては最古参の部類に入るという。営業時間は午前7時から12時。市場関係者向けなので早く閉まるのだ。

お目当ての店が入る11号棟
市場関係業者が数多く入居する通路に、今回の舞台「割烹 マキノ」はある

 店の前には「日替わり定食 さば煮 かやくごはん 700円」と書かれたボードが掲げられている。時計を見ると、午前11時過ぎ。期待に胸を膨らませながら、年季を感じさせる暖簾をくぐった。

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記事執筆者

森本 守人 / サテライトスコープ代表

 京都市出身。大手食品メーカーの営業マンとして社会人デビューを果たした後、パン職人、ミュージシャン、会社役員などを経てフリーの文筆家となる。「競争力を生む戦略、組織」をテーマに、流通、製造など、おもにビジネス分野を取材。文筆業以外では政府公認カメラマンとしてゴルバチョフ氏を撮影する。サテライトスコープ代表。「当コーナーは、京都の魅力を体験型レポートで発信します」。

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