厚生労働省が30日発表した2023年平均の有効求人倍率は、前年比0.03ポイント上がり1.31倍だった。上昇は2年連続。新型コロナの「5類」移行で経済活動が回復したほか、深刻な人手不足により、求人数が増えた。総務省が同日発表した労働力調査によると、23年平均の完全失業率は前年から横ばいの2.6%だった。
有効求人倍率は、仕事を探す求職者1人につき、何人分の求人があるかを示す。
有効求人数は0.9%増加。物価高騰による収益悪化で求人を抑える企業もあったが、宿泊業や飲食サービス業を中心に人材確保の動きが続いた。
有効求職者数は1.4%減少。賃上げ機運が高まる中、企業が労働条件を改善するとの期待などから、働きながら仕事を探す人が減った。
完全失業者は、会社都合の離職が減った一方、自己都合は増加した。
同時に発表された昨年12月の有効求人倍率(季節調整値)は、前月比0.01ポイント低下の1.27倍。完全失業率(同)は0.1ポイント低下の2.4%だった。