米投資ファンドのフォートレス・インベストメント・グループが、買収した百貨店そごう・西武の全国10店舗と従業員の雇用について当面維持することが5日、分かった。西武池袋本店(東京都豊島区)に家電量販大手「ヨドバシカメラ」が出店するなど、計600億円を投じて改装し、収益力の底上げを図る。
そごう・西武は首都圏の7店舗に加え、西武秋田店(秋田市)、西武福井店(福井市)、そごう広島店(広島市)を展開している。フォートレスは、苦戦する地方店についても現時点で維持する方針だ。当初改装と設備投資に200億円以上をかけるとしていたが、大幅に積み増して各店のてこ入れを急ぐ。
フォートレスと組むヨドバシホールディングス(東京)は、池袋本店などの土地を3000億円弱で取得し、そごう千葉店(千葉市)と西武渋谷店(東京都渋谷区)への出店も検討している。池袋本店では、売り場のおよそ半分をヨドバシが占める見通し。改装などで余剰人員が生じる場合、フォートレスの投資先企業や、前の親会社セブン&アイ・ホールディングス傘下の事業会社で受け入れる方向だ。