11月の失業率、2.5%に改善=3カ月ぶり、求人は横ばい
総務省が27日発表した11月の労働力調査によると、完全失業率(季節調整値)は前月比0.1ポイント低下の2.5%だった。改善は3カ月ぶり。経済活動が回復しつつある中で新たに仕事を探し始める人が減り、完全失業者数が減少したことが影響したとみられる。
一方、厚生労働省が同日発表した11月の有効求人倍率(同)は前月から横ばいの1.35倍。先行き不安から転職活動を控えたり、企業が採用を募集しても応募が振るわないため求人を見送ったりする傾向があり、求職者数と求人数がともに減少した。
厚労省は雇用情勢について「一部に厳しさがみられるものの、緩やかに持ち直している」と前月の判断を据え置いた。
完全失業率は、完全失業者数を労働力人口で割って算出する。完全失業者数(同)は5万人減の173万人、就業者数(同)は23万人減の6713万人だった。
有効求人倍率は求職者1人に対し何件の求人があるかを示す指標。有効求職者数は前月比1.5%、求人数は1.3%それぞれ減少した。
産業別に求人動向をみると、観光需要の喚起策「全国旅行支援」などを背景に宿泊業や飲食サービス業が堅調に推移。教育や学習支援業が振るわなかった。