総務省が31日発表した4月の労働力調査によると、完全失業率(季節調整値)は、前月比0.1ポイント低下の2.5%だった。改善は3カ月連続で、新型コロナウイルス感染拡大の影響で雇用情勢の悪化が本格化する前の2020年3月と同水準。まん延防止等重点措置が全国的に解除されたことで完全失業者数が減り、就業者数も増加。雇用情勢に緩やかな持ち直しの動きが出ている。
完全失業率は、完全失業者を労働力人口で割って算出する。就業者数(同)は27万人増の6738万人。完全失業者数(同)は、「非自発的な離職」の減少などで、3万人減の176万人と、3カ月連続で減った。
休業者数(原数値)は、前年同月比10万人減の190万人。変異株「オミクロン株」が広がった今年1月以降高水準が続いていたが、3月と比べ53万人減った。
厚生労働省が同日公表した4月の有効求人倍率(季節調整値)は、前月比0.01ポイント上昇の1.23倍と4カ月連続で改善した。有効求職者数が0.1%減った一方、有効求人数が0.9%増えた。
新規求人数(原数値)を産業別に見ると、コロナ禍による打撃が大きかった「宿泊業・飲食サービス業」が前年同月比49.6%増と大きく伸びた。4月末からの大型連休に伴う利用客の増加を見込み、人手を確保する動きが出た。