医薬品卸3社に課徴金命令=計4.2億円、落札率99%―公取委
独立行政法人「地域医療機能推進機構」が発注した医療用医薬品の入札をめぐる談合事件で、公正取引委員会は30日、独禁法違反(不当な取引制限)で、医薬品卸大手3社に計4億2385万円の課徴金納付を命じた。再発防止を求める排除措置命令も出した。
命令を受けたのは、アルフレッサ(東京都千代田区)、東邦薬品(世田谷区)、スズケン(名古屋市)。メディセオ(東京都中央区)も違反認定されたが、調査前に申告したため処分は免れた。
公取委によると、4社は2016年と18年、同機構発注の医療用医薬品の入札で受注調整していた。担当者らが貸し会議室に集まり、受注比率と落札予定者を決定。その後、応札価格を書いた紙を東京駅付近で受け渡し、情報交換していた。
同機構は入札前、4社に参考見積価格を尋ねたが、4社はその際にも相談し、高い金額を提示。落札率は約99%だったという。
排除措置命令には、こうした情報交換をしないことや社内の違反申し出制度を整備することなどが盛り込まれた。
事件をめぐっては、公取委が19年11月に4社を独禁法違反容疑で強制調査。20年12月、メディセオを除く3社を告発し、東京地検特捜部が起訴した。東京地裁は昨年6月、3社にそれぞれ罰金2億5000万円、3社の元幹部ら7人に執行猶予付きの有罪判決を言い渡した。
アルフレッサホールディングス(HD)と東邦HD、スズケンは「命令を厳粛に受け止め、再発防止策を徹底する」とコメント。メディセオの親会社メディパルHDも「信頼回復に努める」とした。