クックパッドがネットスーパーを始めてから1年後の現状

2019/11/06 06:50
兵藤雄之

献立を週の後半にまとめて考える人が増えている

 クックパッドでユーザーに対し「献立をどう考えているか」を聞いたところ、「その日暮らし=スーパーに寄ってから考える」、「今日、明日分」、「1週間分を週後半に考える」の3パターンに分かれることがわかってきたという。

「1週間分を週後半に考える」という場合、最長で10日前の献立を考えねばならないが、そうしたこと(10日後にどんなものを食べたいか)を考えるのは現実的ではなく、よくつくっているもの(たとえば、「肉じゃが」や「ハンバーグ」のような)しか頭に浮かばなくなる。そうすると献立は結局、毎週、同じようなレシピになり、その日に獲れた新鮮な刺身のような、保存性の低いものを避けるようになっていく。

 それでも、時間とお金に余裕があれば、「外食」で食事を楽しむ方法もあるが、金銭面や家族の事情もあり大半の家庭ではそうもいかない。その結果、家庭での食事から「おいしさ」や「楽しさ」という要素が抜けていく。最近の生活スタイルの変化は、こうした傾向を助長しているのではないかという。

 こうした社会変化に対応するひとつのモデルとして考えたものが、「クックパッドマート」だという。

 クックパッドマートは地域の販売者や生産者からの当日集荷・配送を実現する生鮮食品ECプラットフォームだ。消費者は専用アプリを通じ、1店舗ずつの購入でなく、複数の店舗をまたいで商品をまとめて購入することができる。1個の注文からでも、送料はすべて無料。商品は地域の店舗や施設(ドラッグストア、CVS、マンション、駅など)に設置された宅配ボックス「マートステーション」に配達される。最短で、注文当日に商品を受け取ることが可能だ。

 生産者・販売者は、出店に際して、初期費用、月額費用、配送にかかる費用は不要。販売・配達・決済にともなう手数料として、売上の一部を支払う。商品の集荷方法についても、2019917日より市場や農産物直売所など8カ所(東京都内5、川崎市2、横浜市1)と連携し、地域の販売者・生産者の商品をまとめて集荷する共同集荷サービスもスタートさせた。顧客からの注文を受けた出店者は、生鮮集荷ボックス「マートセルステーション」内の冷蔵庫へ商品を納入し、クックパッドマートの配送員がまとめて集荷・配送を行う仕組みだ。

「マートステーションは、家庭の冷蔵庫代わりとして、低コストでの生産・設置が可能だ。郵便ポストを置く感覚で、コンビニより多い設置をめざしたい。マートセルステーションの展開によって、これまでは集荷が難しかった取り扱い品目の少ない販売者・生産者でも出店することが可能になる。われわれは、いまの時代にあったスタイルで、“美味しく、安く”を提供するための、裏側のロジスティクスを構築していく」(同)

 

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