#14 ロフトや東急ハンズ、100円ショップが持つリアル店舗の価値とは

望月 智之 (株式会社いつも 取締役副社長)
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前回は、若者の間で広まっている新たな購買行動「ストップウォッチショッピング」「ウィッシュリストショッピング」について解説しました。今回は、リアル店舗の中でも差別化に成功しているバラエティショップと、店舗の小型化についてお話しします。

バラエティショップの価値とは

 当社のクライアントなどを見ると、小売企業はリアル店舗という強みがあるものの、家賃などの固定費が発生するため、収益構造的にその店舗だけで採算を合わせることが次第に厳しくなっています。コンビニエンスストア(CVS)など生活のインフラとなっている業態ではまだそれほど深刻化していませんが、アパレルなど大型商業施設に入るような業態は非常に厳しい状況と言えるでしょう。

東急ハンズ 三宮店
東急ハンズなどのバラエティショップは顧客に”発見”を提供している

 その一方、「ロフト」「東急ハンズ」「PLAZA」などといったバラエティショップが注目されています。このようなバラエティショップのコアとなる価値は「来店した際に意外な商品が並んでいること」です。「いつもある」「欲しいと思っていたものがあった」といった定番の品揃え重視型の業態というよりは、「買物における“発見”を提供する」プレーヤーなのです。

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記事執筆者

望月 智之 / 株式会社いつも 取締役副社長
1977年生まれ。株式会社いつも 取締役副社長。東証1部の経営コンサルティング会社を経て、株式会社いつもを共同創業。同社はD2C・ECコンサルティング会社として、数多くのメーカー企業にデジタルマーケティング支援を提供している。自らはデジタル先進国である米国・中国を定期的に訪れ、最前線の情報を収集。デジタル消費トレンドの専門家として、消費財・ファッション・食品・化粧品のライフスタイル領域を中心に、デジタルシフトやEコマース戦略などのコンサルティングを手掛ける。ニッポン放送でナビゲーターをつとめる「望月智之 イノベーターズ・クロス」他、「J-WAVE」「東洋経済オンライン」等メディアへの出演・寄稿やセミナー登壇など多数。

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