中小小売でも大企業に勝てる! 「ユニット・コントロール技術」Part2

佐々木 桂一(リテイリングワークス)
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ユニット・コントロールで生まれ変われる

 ユニット・コントロールを継続的に行うことで、品揃えは確実に「売れ筋中心」になっていく。定期的に、品種によっては毎週、四半期ごとなど、販売数量をもとに商品カットやフェースの増減を行い、あるべき陳列量に変更していく。

 これにより、多くの場合は高価格ラインであるが、不必要なユニットが減り、顧客に支持される価格ラインが明確になる。同時に、その周りに2~4の価格ラインを設定することで、価格レンジ(売価の上限と下限との間隔)が、徐々に狭まっていく。

商品棚の前に立つ客
ユニット・コントロールは結果的に、具体的に差別化された商品戦略にするための決め手となる(写真はイメージ、SDI Productions/iStock)

 価格レンジが狭ければ狭いほど競争力は強くなり、顧客はその価格ラインをねらって買い物に来るようになる。この価格ラインを「値ごろ」と言う。

 顧客にとっての「豊富さ」は、価格レンジが狭められて、その価格レンジで十分に品選びができることだ。とくに、需要の多い売価であるプライスポイントには3品目は必要であり、フェーシング数と陳列量とがもっとも多くなる。

 別の価格ラインと比較しながら品選びすることは客にとっては不安で、楽しい買い物にはならない。顧客にとっての買い物の楽しさは、同一売価内、つまり1つの価格ラインでの比較なのだ。100円均一ショップなどの均一売価店が良い例だ。

 となると、お客が安心して買えて、かつ楽しみながら品選びできるためには「価格ラインの数は少ないほどよい」ということになる。そのほうがお客はショートタイムショッピングを実現でき、買い物の便利さと楽しさを両立できるからだ。

 しかし、実際には

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