「クックドゥ」が過去最高売上を記録!
味の素(東京都/伊藤雅俊社長)の中華合わせ調味料「クックドゥ」が売れている。
発売34年にして過去最高売上を更新するに至っている。
ここにきて品種ごとの売上金額1位を記録したのが「回鍋肉用」である。
「ぐっさん」、ことタレントの山口智充さんを起用したTVCMが大ヒットしたことを受け、これまでずっと首位の座にあった「青椒肉絲用」を追い落としたのだという。
同社の横山敬一食品事業本部長は、「『回鍋肉』という大人の料理と思われていたメニューを子供さんにも伝えることができたことが成功の理由」と振り返った。
リーマンショックや東日本大震災に端を発する内食化傾向が家庭に完全に定着したことが「クックドゥ」には追い風になっているのだろう。
ただ、何より重要なポイントは、「クックドゥ」が《自分参加型》という商品特性を持っていることだ。
湯せんで温めるだけ、レンジでチンしただけでは、消費者には、料理をしたという充実感が沸かない。しかし「クックドゥ」の場合は、具材を切ったり、フライパンを振ったり、自分好みに一味を加えたりできるので、“手抜き”という罪悪感からも解放される。
こうした消費者傾向を先取りする格好で、首都圏に食品スーパーを105店舗展開するサミット(東京都/田尻一社長)では、既製の料理ソースなどのレシピに合わせたカット野菜やカット肉をパッケージ化して売り始め、好評を博している。
これがさらに一歩進めば、「売場担当者お勧めの既製料理ソース向けひと手間セット」「有名シェフと既製ソースでつくる料理セット」なんてものも、どこかの売場で出てくるかもしれない。
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