AI活用に共同配送・・・物流の2024年問題、生協の打ち手とは?
生協が収益の柱とする宅配事業を支えているのが、全国津々浦々まで張り巡らせてきた生協の物流ネットワークだ。しかし、直近では「物流の2024年問題」も浮上し、持続可能な事業運営には、配送員の確保が必要不可欠だ。そうしたなか生協はいかに手を打っていくのか。生協物流の現状と取り組み、今後の方向性を解説する。
コロナ収束で再び配送の欠員率は上昇
『コープソリューション新聞』では2015年春から毎年、生協、生協子会社、宅配パートナー会社の協力により、宅配・配送担当の欠員に関するアンケート調査を実施している。
直近の5年の欠員率は、18年5.03%、19年4.46%、20年2.75%、21年1.60%、22年2.01%で推移。コロナ禍では、感染症拡大の影響で働く場を失った人の受け皿として配送員の志望者が増え、欠員率が改善したが、23年にはコロナ禍の落ち着きとともに3.17%に再び上昇している。
生協宅配の事業規模は全国で2兆1000億円ほどあり、約2万3000人の配送担当、約2万3000台の配送トラックにより担っている。全国に約600の配送センターがあり、1センター平均約40人の配送担当が勤務し、1人当たり1日60~70件の配送をこなしている。
配送担当は商品を運ぶだけでなく、組合員の新規獲得や、その他商品や共済などの営業活動も行っている。これは日頃からの組合員とのコミュニケーションや信頼関係の上に成り立っており、生協宅配が40年にわたって磨き上げてきた強みだ。
生協は今後の成長戦略として、「宅配リノベーション(再強化)」を進めている。その成否は、生協の強みである配送の現場力にかかってくると考える。
そこで大きな課題となるのが、配送担当の人員確保だ。現状の欠員率3.17%とは、配送担当40人の配送センターで常時1人が不足しているという、すでに厳しい状態にある。
社会的に注目を集める「物流の2024年問題」については、生協はじめ生協宅配に携わる事業者は、この問題を見据えて早期に手を打ち、すでに条件をクリアしている組織がほとんどで、直接的な影響は少ないとみられている。しかし、競合他社からの影響により労働力の奪い合いが今以上に進むと考えられ、雇用環境のさらなる悪化は避けられない。
こうした課題への対応として、生協では
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