ダイエー西峠泰男社長インタビュー 企業価値向上をめざす戦略とは

聞き手:阿部 幸治 (ダイヤモンド・チェーンストア編集長)
構成:太田 美和子
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イオン(千葉県)傘下のダイエー(東京都)は、一連の総合スーパー(GMS)・食品スーパー(SM)改革を経て、2022年には創業65周年を迎えた。現在は、さらなる飛躍に向けた取り組みも始めている。同じく22年に就任した西峠泰男社長に、ダイエーの現状と今後の成長戦略を聞いた。

強みの好立地店を改装、GMS型は最新モデル店へ

──2023年2月期はコロナによる行動制限の緩和に加え、物価高や電気代高騰などの影響もあり、業績を見ても厳しい1年となりました。コロナ禍の3年間の業績推移と足元の状況を教えてください。

ダイエー代表取締役社長西峠 泰男氏
西峠 泰男(にしとうげ・やすお)
●1967年生まれ。89年ジャスコ(現イオン)入社。「マックスバリュ江刺店」などの店長を経て2002年にマックスバリュ北陸事業部長、その後山陰と長野エリアで事業部長を歴任し、09年に海外事業戦略チームへ。11年にAEON VIETNAM CO., LTD 取締役社長、17年イオン ベトナム事業担当、19年執行役アセアン事業担当、20年3月 AEON VIETNAM CO., LTD 取締役社長、21年3月イオン執行役 商品担当、22年3月から現職

西峠 コロナ禍では業界全体の傾向と同じように推移しました。20年と21年は新規顧客も増えて客単価も上がり、業績は好調でした。その反動で22年の客数は落ち、買い上げ点数も減少しました。

 ここにきて強く感じているのは、節約志向の高まりです。値上げラッシュの影響で1品単価は上がっていますが、買い上げ点数は減少しています。一方、客数は回復傾向にあります。

──22年にダイエーは創業65周年を迎えました。さらなる成長に向け、何に取り組んでいますか。

西峠 まず、既存店の活性化です。長年営業してきた当社の貴重な資産は、お客さまからの信頼と好立地にある店舗です。ただし、店年齢が高く古い店舗が多いことが課題です。過去2年間、新業態開発やデジタルシフトに多くの投資を振り当てたので、今後は好立地にある既存店に投資を傾斜配分する考えです。年間で全体の約1割にあたる約20店舗の改装を順次計画して進めていきます。

 次に、GMS型の既存店の、食の専門性を高めた最新モデルへの切り替えです。200店舗を

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聞き手

阿部 幸治 / ダイヤモンド・チェーンストア編集長

マーケティング会社で商品リニューアルプランを担当後、現ダイヤモンド・リテイルメディア入社。2011年よりダイヤモンド・ホームセンター編集長。18年よりダイヤモンド・チェーンストア編集長(現任)。19年よりダイヤモンド・チェーンストアオンライン編集長を兼務。マーケティング、海外情報、業態別の戦略等に精通。座右の銘は「初めて見た小売店は、取材依頼する」。マサチューセッツ州立大学経営管理修士(MBA)。趣味はNBA鑑賞と筋トレ

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