焼酎市場、コロナ禍の反動が影響し微減、飲み方提案で食卓酒の定番へ

石山 真紀(フリーライター・売場研究家)
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焼酎のカテゴリーはコロナ禍での家飲み需要の拡大に伴い、家庭用の市場が広がったものの、2021年はその勢いも衰えて前々年と同水準に戻りつつある。今後市場を活性化するには、飲み方提案や新商品の投入で若年層のユーザーを取り込んでいく必要がある。

家飲み需要も鈍化し、すべての月で微減に

 KSP-POSによると、焼酎カテゴリーの2021年4月から22年3月の期間通算の金額PIは、前年比4.4%減の1万4895円、数量PIは同3.9%減の14.12と金額・数量ともに前年を下回る結果となった。

焼酎
市場を活性化するには、飲み方提案や新商品の投入で若年層のユーザーを取り込んでいく必要がある。(i-stock/kuppa_rock)

 焼酎は近年、乙類・甲類・混和ともにダウントレンドが続いていたが、コロナ禍直後の20年は緊急事態宣言やまん延防止等重点措置による飲食店の営業自粛・短縮に伴い、家飲み需要が急拡大したことを受け家庭用の焼酎も好調に推移。しかし21年に入るとその勢いも衰え再び前年を割り込み、コロナ前の水準に戻りつつある。

 金額PIの推移をみると、すべての月で前年割れが続いている。焼酎は気温などかかわらず年間を通じて飲まれており季節による影響が少ない酒類だが、それでも気温が高くなる7月から9月は数字が落ち、人が集まる年末年始に向け数字が高くなっている。

 焼酎カテゴリーは酒類において3番目に大きな市場であり、ほかの酒類ユーザーに比べ1人当たりの購入金額も高いことからロイヤルユーザーが多い。年代別の構成比をみると焼酎ユーザーは酒類全体と比較して中高年の割合が高く、とくに50代以上の割合が年々増加傾向にあることから、若年層の間口拡大が課題となっている。

 市場が縮小傾向にあるなか、アサヒビールの「かのか」は期間限定パッケージや食事と合わせた限定商品の投入、SNSを活用したプロモーション施策などが奏功し、30・40代の購入者が増えている。

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