データ分析で「矛盾した結果」が出た時はピンチではなくチャンスである理由
今回の話は、「消費財メーカーあるある」です。出荷データやPOSデータなど、流通のそれぞれの段階のデータを見比べたとき、同じ同月前年比のデータにもかかわらず、逆のトレンドが出て矛盾する結果が出ることがあります。ここで慌てずに、冷静に分析を進めていってください。データごとの矛盾の原因を探ることで、ビジネスの機会発見につながることがあるからです。
流通段階ごとの3つのデータとは
まずは、一般的な消費財の流れを単純化して図式化している図❶をご覧ください。会社によって呼び方は異なりますが、ここではメーカーから卸への出荷をセルイン(卸の倉庫に入れるという意味からきているようです)、卸から小売への出荷をセルアウト(同様、倉庫から出ていく意味)、小売からショッパーへの販売をオフテイク(小売の棚から飛んでいくイメージ)としましょう。
その際のデータについては(図❷)、一般には、出荷データでセルインを、RDPデータでセルアウトを、そしてオフテイクは小売店パネルや購買パネル、時には小売チェーンが開示しているPOSやID-POSでモニターしているメーカーが多いと思います。
そして、流通段階が進むほどデータのカバー率(カバレッジ)が減っていくのが一般です。カバー率とはセルイン後の商品をセルアウトやオフテイクデータで捕捉できる割合のこと。100%に近いほどデータで見えている部分が多いということです。
ちなみに、セルアウトのデータは外部に流出することが少ないので話題になることは少ないですが、現場ではとても重宝されているデータで、自社商品がどの店舗にいつ、いくつ納品されたかがわかります。そのためチャネル別、チェーン別の営業戦略の立案や、製造や配送などのサプライチェーンの最適化などに活用されています。
セルインとセルアウトの前年比を比較するポイント
では悩みに戻りましょう。
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