リアルタイム在庫を活用した、東急ストア「攻め」のDX
総菜値引き率をAIで最適化

──近年、SDGs(持続可能な開発目標)など、食品小売では廃棄ロスなどが注目されています。
山口 東急ストアではリアルタイム在庫機能を活用し、総菜の食品ロス削減に取り組んでいます。
これまで総菜は全店一律で時間を決めて段階的に値引きしていました。しかし現実をみると、店舗の商圏環境によって総菜の売れ行きが異なるのはもちろん、曜日や天候によって変わります。
リアルタイム在庫機能を応用して、総菜の在庫データとAIによる需要予測の発注の仕組みを連携させます。これにより天候や商圏環境などを考慮した客数を予測し、単品ごとに値引きをするタイミングの最適化を図ります。
また、インストア加工の総菜では追加製造のタイミングをアラートで知らせるようにしました。これを実現するには厨房内にタブレット端末を配置し、アプリを操作する必要がありますが、衛生面を考慮し、デバイスに触れずに操作できる機能も加えました。
この取り組みにより食品の廃棄ロスを減らすことができ、必要な商品を追加製造することで、チャンスロスも防ぐことができます。その結果、環境にやさしいだけでなく、利益率も高めることができます。
──今後はどのようなことに取り組んでいかれますか。
山口 よりDXを加速させたいです。今のスピードを緩めてはいけないと思っています。お客さまの多様な買物スタイルのニーズに応えるため、ネットで注文した商品を店舗で受け取れるBOPIS(Buy OnlinePickup In Store)にも挑戦したいです。
在庫管理システムの話をすると「業務効率化」という言葉が使われることがありますが、私は業務支援だと思っています。テクノロジーを使って生産性を向上させ、接客やクリンネスなど、よりお客さまに喜んでいただける、付加価値の高い業務に時間を費やし、差別化をしていきたいと考えています。
また自動発注の精度もさらに高めたいと思っています。今は自社のID-POSをもとに発注予測をしていますが、卸やメーカーといった業種を超えてデータ連携を図る、D&Sソリューションズ(東京都/中村洋幸社長)の「情報卸」などを活用し、サプライチェーン全体としての情報精度が高まるようなチャレンジをすることも考えています。
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