NECとNTTが資本業務提携、「5G」などで共同研究・開発

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6月25日、NECはNTTとの資本業務提携を決め、自己株処分を含む第三者割当増資により約645億円(手取り概算額は約640億円)を調達すると発表した。写真は2012年5月、東京の無線通信技術の展示会で撮影(2020年 ロイター/Issei Kato)

[東京 25日 ロイター] – NECは25日、NTTと資本・業務提携すると発表した。次世代通信網「5G」やその先の「6G」をにらみ、共同で研究・開発を進める。共同開発した技術を適用した製品の売上拡大を通じ、企業価値の向上を目指す。

会見したNTTの澤田純社長は「両者の総力を結集し、日本発の革新的な技術・製品を創出し、グローバルに展開する」と述べた。NTTが提唱する光工学(フォトニクス)をネットワークに活用する「IOWN」構想の実現につながる技術や光・無線デバイスの開発も進め、5Gの先も見据える。

NECは、自己株処分を含む第三者割当増資で約645億円(手取り概算額は約640億円)を調達する。発行・処分価額は1株4950円で、発行済株式総数の約5%。NTTは中長期の保有を前提にNEC株を取得する。

NTTの澤田社長は、両社の連携による開発を円滑に進めるためだとし「出資をどんどん増やすのが目的ではない」とした。この上で「何年とは明らかにできないが、早い段階で出資分は回収できる」とした。NECの新野隆社長兼CEOは、NTTに出資しないことについて「政策保有株式は原則ゼロの方針なので、今回は投資しない」と述べた。

基地局やネットワーク機器の市場では、中国の華為技術(ファーウェイ)やスウェーデンのエリクソン、フィンランドのノキアといった強豪メーカーがひしめく。NTTの澤田社長は、キャリアとメーカーの関係を「よりフレキシブルに変えていきたい」と述べた。

通信業界では、米中欧日のキャリア5社が18年に「ORANアライアンス」を設立。5Gなどの次世代ネットワークを踏まえ、ネットワークをより拡張性高く、よりオープンに構築できるよう、相互接続可能なインターフェースや汎用サーバーの利用推進、専用ハードウエアの最小化などに取り組み、世界中の通信事業者や通信機器ベンダーへの拡大を進めている。

澤田社長はNECとの提携は「キャリアとメーカーが組むことで世界にない新しいモデルになる」と指摘。米中関係が厳しくなる中でも「世界で通用する日本発の付加価値の高い製品・システムを一緒に作っていく。厳しい世界の環境でもリーダーになれるよう頑張りたい」と述べた。新野社長は、30年までに基地局のグローバル市場のシェアで「20%ぐらい取っていきたい」と述べた。将来的には世界でトップシェアを目指す。

両社とも今後の他社との連携については「オープン」のスタンスで、NTTの澤田社長は、ケースバイケースだとしながら出資を伴う提携の可能性も排除しないとした。

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