マルエツが創造した「体験型スーパーマーケットモデル」1号店の全貌
マルエツでは初めて「オンラインデリバリー」に対応
③ストレスゼロを追求した売場づくりについては、U.S.M.Hのセルフ決済アプリ「Scan&Go」を導入。お客が自分で商品バーコードを読み取り、アプリ上で決済を完了することができるようにした。
また、船橋三山店ではスマートフォンやウェブ上で注文した商品を受け取れる「Online Delivery(オンラインデリバリー)」に対応。同じくU.S.M.H傘下のカスミ(茨城県)やマックスバリュ関東(東京都)の一部店舗では導入されているが、マルエツでは初めてとなる。自宅への配送だけでなく、クルマに乗ったまま受け取れるドライブスルー形式や、店頭に設置した無人ピックアップルームでの受け取りが可能。コロナ禍で非接触ニーズが高まるなか、多様な受け取り手段で対応する。また、オンラインデリバリーについては近隣の東習志野店、大久保駅前店と商品在庫や配送インフラを共有し、習志野市内の広い範囲でサービスを提供する。
さらに、店内で購入した商品を3時間以内に自宅へ配送する「らくらくクマさん宅配便」にも対応。配達料は通常200円(以下税抜)だが、2カ月内に15回利用(1000円)・3カ月内25回利用(1500円)できる「定額制パスポート」も用意した。
顧客と商品、顧客同士を”つなげる”機能を強化
そして、とくに新奇性のある取り組みが見られるのが、④繋がりを切り口とした部分だ。
マルエツは船橋三山店の出店に際し、”売場以外”の領域を「サービスエリア」として明確に区分。出入口、レジ、サービスカウンター、イートインスペースなどをひとまとめにして、顧客に寄り添ったサービスやコミュニケーションを図るための場所として位置付けた。
その拠点の1つとなるのが、イートインスペースの傍らに設けた「体験型ステーションMeet!」だ。ここでは、スタートアップ企業を含む各メーカーの最先端の調理家電を展示。設置されたタブレットや自分のスマートフォンを介して商品の詳細情報を閲覧できるほか、気にいればウェブ上でそのまま購入することもできる。取材日は最新鋭のヨーグルトメーカーや炊飯器、電気圧力鍋などが展示されていた。
Meet!は日本でも昨年から店舗展開が始まった米「b8ta(ベータ)」と類似したD2C型のサービスといえるが、マルエツは当面、メーカー側から手数料やインセンティブをとることはしない予定。店舗利用客と最新鋭の商品を”つなぐ”役割に徹する方針だ。
加えて、イートインスペースは「Cafe&Dine (カフェダイン)」の名称のもと、お客同士のコミュニケーションを促す新コンセプトで導入。店内で購入した弁当や総菜などのほか、カフェダイン内では「ミニストップ」のソフトクリームや、人気ドーナツチェーン「クリスピー・クリーム・ドーナツ」の商品、さらに店内調理の「バスク風チーズケーキ」「フォカッチャサンド」などのオリジナルメニューも販売する。また、新商品の紹介やメニュー提案を実演調理で行う「キッチンいーとぴあ」もカフェダイン内に集約した。