静岡県初出店! コストコ隣の「ロピア浜松プラザフレスポ店」の売場をレポート
ロピア(神奈川県/髙木勇輔代表)は2024年11月26日、静岡県浜松市のショッピングセンター(SC)内の「浜松プラザフレスポ」1階に「ロピア浜松プラザフレスポ店」(以下、浜松プラザフレスポ店)をオープンした。東海地方では、愛知県内に5店舗、岐阜県に5店舗、三重県に1店舗を展開しているが、静岡県は初出店となる。この新店の売場づくりについてレポートする。
※本文中の価格はすべて本体価格
青果売場では高付加価値商品を差し込む
浜松プラザフレスポ店はJR「浜松」駅からクルマで北東に約10分、国道152号線から一本入った県道45号線沿いに位置するSC「浜松プラザ」内にある。
浜松プラザは、西側エリアと東側エリアに分かれており、同店が出店するのは東側エリアにあるフレスポ棟1階。24年3月に閉店した「フードマーケットマム浜松フレスポ店」の跡地に出店したかたちだ。売場面積は1882㎡となっている。
浜松プラザの東側エリアには「コストコ浜松倉庫店」があり、まとめ買いに慣れた買物客が多い。このため、エリア全体の集客力向上が期待できる立地である。
11月27日には、トライアルカンパニー(福岡県/石橋亮太社長)の静岡県下での1号店となる「トライアル浜松若林店」が浜松駅西側にオープンし、県外企業の進出が続くかたちとなった。
売場を見ていこう。青果売場では、中央に箱売りのミカンを大量に陳列し、両脇の通路幅を狭めることで、客だまりをつくる仕掛けを採用している。高さのある陳列がインパクトを与える一方で、店奥の見通しは良くない。この点は、店舗やエリアの特性に応じて展開方法が異なるようだ。左側にはミカンなどの柑橘類、バナナ、梨があり、右側にはイチゴをメーンで配置している。
相場高騰の影響を受け、青果全体で過度な価格訴求は避けており、大容量やバンドル販売を通じた一品単価アップに注力している。商品のボリュームで割安感を生む一方で、1000円を超える高価格帯のアイテムを随所に展開しているのが特徴だ。
たとえば、バナナは111円や150円の商品は少量陳列にとどめ、399円の大房サイズや299円の「プレミアム完熟バナナ」については広いスペースを確保して陳列している。ミカンは599円のネット入りに加え、888円や2000円の大入りサイズをボリューム陳列で展開している。
イチゴは499円の商品を2パック799円で販売し、バンドル購入への誘導を図っている。単品販売では599~1000円台までプライスラインを多数揃えて、品揃えの豊富さをアピールしている。
野菜コーナーでは、「静岡県産小松菜」や「北海道産ジャガイモ」を99円で販売するなど、周辺の競合店より2割ほど安い価格設定としている。また、肉厚のしいたけを1500円で販売し、「目利き」シールを貼付してアピールしている。価格訴求する商品だけでなく、高付加価値商品を差し込んで、ロピアのイメージづくりに貢献している。
商品形態は裸売りや入荷時点ですでにパッキングされている商品が中心で、店内作業の軽減を重視している。ネギの束シールに自社ブランド「あずま」の名前とバーコードを記載したシールを使用するなど、バラ納品アイテムを自社(または市場内取引先)で加工することで、商品グレードや収益性を向上させている。
品揃えは、高付加価値商品を一部取り入れつつ、基本的にはレギュラーアイテムを中心とした構成である。トマトや韓国焼き肉などの専用コーナーを設置し、特定カテゴリーを深掘りすることで、売場の特徴を明確にしている。