東京・三軒茶屋の駅近に出店! 「スーパーベルクス世田谷太子堂店」の売場を解説
サンベルクス(東京都/鈴木秀夫社長)は東急世田谷線・田園都市線の「三軒茶屋」駅から徒歩5分の国道246号線沿いに「スーパーベルクス世田谷太子堂店」を6月14日にオープンした。競合が激しい立地で地域密着型店舗として「便利さ」「鮮度」を打ち出す同店がどのような取り組みを行っているのかを確認したい。
調査日=2024年8月26日 ※本文中の価格はすべて本体価格
新設店ながらレイアウトはやや変則
サンベルクスは東京、千葉、埼玉の3都県に48店(東京17店、千葉19店、埼玉12店)を展開しているが、世田谷区がある城南エリアへは初めての出店となる。スーパーベルクス世田谷太子堂店が立地する「三軒茶屋駅」周辺は東急ストア(東京都/大堀左千夫社長)、西友(東京都/ 大久保恒夫社長)、肉のハナマサ(東京都/富澤夏樹社長)、ダイエー(東京都/西峠泰男社長)、サミット(東京都/服部哲也社長)、オーケー(神奈川県/二宮涼太郎社長)、オオゼキ(東京都/石原坂潤社長)などの競合店がひしめいており、利用客の目も厳しい環境にある。
レイアウトは、青果から鮮魚、精肉、総菜、洋日配、特設と続いている。和日配は青果の壁面ケースに対面するスペースと、鮮魚と精肉の間の壁面ケースに配置されている。酒は洋日配奥に区切られたワインコーナー、売場中央部分に冷ケースと常温の販売コーナーを設けており、新設店舗でありながら、一般的なレイアウトとは異なる配置をしているのが特徴だ。
また、サンベルクスでは入口付近や特設コーナーで単品量販(エキサイティング企画)を行うことが多いが、この店舗では入口そばの台車陳列で飲料2アイテムの販売にとどまっていた。
青果は量感を前面に、買いやすさにも配慮
青果売場は平台を多用した量販型スタイルを採用している。商品アイテムを絞り込み、量感陳列でインパクトを出している。壁面ケースも同様に、フェース数を確保し、売場での存在感を高める陳列が特徴だ。
売場トップは2SKUで、梨の特売(大玉3個入り、中玉4個入りともに税抜599円)と玉ネギの小玉袋が同99円という価格訴求を前面に出した展開で、店頭のマグネットとして機能していた。
その奥の平台では、主通路側の壁面に市場のスポット仕入れとみられる山梨県産のシャインマスカットが1房同980円と割安な価格で販売され、客単価アップに貢献していた。果物では、品種や産地などを揃えて専門性をアピールしている。
冷蔵ケースではカットフルーツや輸入フルーツを展開し、品揃えを充実させている。野菜はベーシックアイテムを中心にアイテムを絞り込んでいる。
展開としては平台にゴーヤやズッキーニ(ともに同149円)、キノコ類(ブナシメジ、マイタケ、エリンギ、エノキなど)の大容量サイズのボリューム陳列が目立つ。ケースでは下段商品を同99円、同129円、同149円の3つの価格で統一し、購入時の選びやすさを高めている。
また、POPの表記では、月間の特売商品で気温に合わせたメニュー提案、セロリではEDLP(エブリデーロー・プライス)の強調、「ハウスミカン」では「大玉がうまい」と黒字に白抜きで訴求するなど、メッセージ性のあるコメントを掲示している。また、現場の負担を軽減するため、交換を頻繁に行わなくてもメッセージ性が損なわれないようコメントが工夫されている。負担軽減の観点では、平台の副通路側のエンドでは販売期限の長い加工食品を陳列している。
壁面ケースの最後には、自家製の漬物コーナーを9尺のスペースで大々的に展開し、試食を行いながら、他店にはない特徴ある売場として際立たせている。