ハム・ソーセージ市場、フレーバーソーセージなどの投入で食シーン拡大に貢献
2024年は2回の価格改定により、ハム・ソーセージ市場は金額では横ばいだが、数量ベースでは前年割れとなった。
各社では新たな需要拡大をめざして、新商品の投入や夕食などの食シーンを広げる提案に力を入れている。
価格改定によりソーセージの金額PIは前年並み
KSP-POSによると畜肉ソーセージの期間通算(2024年1月~12月)の金額PIは、1万8490円で対前年同期比0.03%増、数量PIは57.75で同1.9%減。
24年は豚肉などの原料高騰や人件費の高騰を背景に2回価格改定を行ったことから、ソーセージの平均価格は前年より1.9%アップした。4月の価格改定以降の金額PIは横ばいから微増で推移している。

ソーセージの食シーンは朝食と昼食で約8割を占めていることから、日本ハムでは昨年「シャウエッセン 夜味」という食シーンを訴求した商品を期間限定で発売。調理方法はこれまで推奨してきたボイル調理ではなく、焼き調理を提案した。
また、この春には、ほそびきウインナーの〈なめらか〉を新発売。シャウエッセンのおいしさを盛り込んだ、なめらか食感を追求したほそびきウインナーで、スープなどに最適だ。
昨今の物価高影響による経済性志向の高まりを受け、伊藤ハムでは新ブランド「グルメウインナー」を新発売。原料肉に鶏肉と豚肉を使用し、あっさりまろやかな味に仕上げた。おいしさはもちろん、お得感を重視するユーザーに訴求していく。
ソーセージは50代以上が中心のカテゴリーで、若年層ユーザー獲得のため、各社ではフレーバーソーセージの提案が活発だ。日本ハムでは、「シャウエッセン」〈ホットチリ〉と〈とろける4種チーズ〉を展開し、若年層の取り込みにつなげている。
この春は2品をリニューアル。5種類のチーズを使った〈おいちぃず〉は子供も楽しめる味わいで、旨辛の辛さをアップした〈パワ辛〉は、おつまみはもちろん、夕食にもぴったりだ。
丸大食品では「燻製屋ウインナー レモン&パセリ」をこの春から定番化。昨年10月から発売し、過去フレーバーと比較しても高い販売金額となっている。フレーバーソーセージは新規ユーザー獲得と食シーン拡大に貢献する商品となっている。
一方、プリマハムでは、「映画ドラえもんのび太の絵世界物語」の登場キャラクターを起用した「ドラえもん ウインナー」を新発売。キャラクターイラストの付いたウインナーでお弁当の需要を取り込む。
売場活性化のためのMD EDITION の新着記事
-
2025/05/24
冷凍食品、多様化する消費者ニーズにこたえ コロナ禍明けも堅調に推移 -
2025/05/23
日本酒市場、食品とのクロスMDを強化し、日本酒とのタッチポイントを増やす -
2025/05/23
精肉1人当たり購入金額は減少傾向、簡便性や付加価値の訴求が活発化 -
2025/05/22
減塩商品の食卓出現頻度は増加傾向に、卓上調味料のニーズがとくに高く -
2025/04/07
菓子市場、物価高で食品全般が厳しいなか堅調も、カテゴリーごとには明暗 -
2025/04/07
スンドゥブ市場、韓流ブームを追い風に24年も市場は堅調に推移
この特集の一覧はこちら [164記事]
関連記事ランキング
- 2025-11-05卸オリジナル商品市場、国産原料や健康訴求で差別化、付加価値型オリジナル商品を強化
- 2025-11-06シチュー市場、アレンジメニューやクロスMD提案で、秋冬以外の店頭露出の増加をめざす
- 2025-11-21鍋市場、需要の多様化が進み 関連商品が続々
- 2025-09-22パスタ&パスタソース市場、コロナ禍以降、市場は堅調に推移 24年夏は米不足追い風に需要増
- 2025-11-04即席麺市場、コスパ・簡便性で再評価が進み、市場は安定成長を維持
- 2025-04-25ドレッシング市場、サラダ以外の汎用使いが浸透、野菜高騰下でも堅調に推移
- 2021-07-262021年の精肉市場はどうなる?販売データや大手食品スーパーの売場からトレンドを探る!
- 2022-08-18だし市場、21年度も堅調に推移 さまざまな形状の商品で需要に対応
- 2022-09-21増加傾向にある食物アレルギー、メーカーによる取り組みも活発化
- 2023-03-23食用油市場、22年度は価格改定が進み、過去最大の市場規模を更新




前の記事
