青果市場、地場野菜や機能性野菜、簡便野菜など 付加価値訴求がトレンドに
青果売場のトレンドとして、簡便性、即食性訴求が引き続き重視される一方、機能性や「安心・安全」といった付加価値面での訴求も行われている。地場野菜やオーガニック野菜、工場野菜もこうしたニーズに沿った品揃えとして強化するチェーンが多い。最近オープンした新店の青果売場の事例を紹介する。
品質や鮮度を打ち出す独自の提案が活発化
青果売場はスーパーマーケットの顔ともいえる中核的な部門であるため、多くのチェーンが力を入れている。消費者が重視する価格については、市場相場などの影響を受けるため競争にも制約がある。
そのため差別化のポイントとしては限界があり、産地や店内加工にこだわることで鮮度や品質を打ち出そうとする売場展開を強化する例が多い。

2024年6月にオープンした「BLΛNDE三郷店」では、店舗入口で調理作業が見えるキッチン付きのフルーツコーナーを展開。色鮮やかな果物やカットフルーツ、店内製造のフルーツデザートなどを品揃えする。

また「ヤオコー久喜吉羽店」(2024年9月オープン)では、地場野菜をコーナー化した「local farms」を展開。生産者の顔写真の掲示やPOPで、地場産品をアピールしている。

「マルエツ大宮サクラスクエア店」(2024年7月オープン)は、同社の定番コーナーである「手間なしカット野菜」コーナーで簡便野菜を提供。隣接してモヤシや水煮野菜、カットサラダを展開し、簡便性と無駄の削減を提案する。

「イオンスタイル成田ニュータウン」では、店舗が立地する千葉県産のオーガニック野菜をコーナー展開。同社ブランドのオーガニック野菜と併せて訴求する。

また、2024年6月オープンの「フレンドマート茨木平田店」では、入口近くでカットフルーツを展開。フルーツスイーツやフルーツサンドと併せてコーナー化している。

「ライフ吉祥寺駅前店」(2024年7月オープン)では、野菜売場の工場野菜コーナー近くで、有機野菜を使用したオリジナルのミールキットを展開。簡便性と、こだわりの素材を使っている安心感を訴求する。

その他の新店では、たとえば冷凍野菜や冷凍フルーツの強化や半調理野菜の充実など、新しいトレンドも見られる。
売場活性化のためのMD EDITION の新着記事
-
2025/05/24
冷凍食品、多様化する消費者ニーズにこたえ コロナ禍明けも堅調に推移 -
2025/05/23
日本酒市場、食品とのクロスMDを強化し、日本酒とのタッチポイントを増やす -
2025/05/23
精肉1人当たり購入金額は減少傾向、簡便性や付加価値の訴求が活発化 -
2025/05/22
減塩商品の食卓出現頻度は増加傾向に、卓上調味料のニーズがとくに高く -
2025/04/07
菓子市場、物価高で食品全般が厳しいなか堅調も、カテゴリーごとには明暗 -
2025/04/07
スンドゥブ市場、韓流ブームを追い風に24年も市場は堅調に推移
この特集の一覧はこちら [164記事]
関連記事ランキング
- 2025-11-21速報!バロー関東1号店「横浜下永谷店」 オープン日の模様を徹底レポート
- 2025-11-21ベルクのディスカウントフォーマット「クルベ」、開店から2年超で見えた変化と進化
- 2025-11-26気づけば5店舗……クスリのアオキが出店増やす「スーパーのアオキ」の全容
- 2025-11-19上期絶好調のバローHD 関東進出直前、小池社長が明かした「攻め手」
- 2025-11-25オープンから2年超のクルベ その至近で競合するヤオコー、2店舗の関係から見えてきたこと
- 2025-11-21楽天撤退、ライフ参入 センター型ネットスーパー激動期へ
- 2025-11-17利益面に明暗……ライフ、U.S.M.H、アークスの中間決算を解説
- 2025-11-12ロピア進出機に阪神エリア随一の激戦地に 兵庫・尼崎エリア視察案内!
- 2025-11-22圧倒的集客力で激戦地を制圧!? 茨城タイヨーの「ビッグハウス」を大解剖!
- 2025-11-11意外にも”共存共栄”? 関西随一の激戦区・西宮の2エリアを徹底視察!
関連キーワードの記事を探す
気づけば5店舗……クスリのアオキが出店増やす「スーパーのアオキ」の全容
「ドラモリ」が価格競争の台風の目に? フード&ドラッグ激戦区・宮城県名取市を現地調査
即席麺市場、コスパ・簡便性で再評価が進み、市場は安定成長を維持
卸オリジナル商品市場、国産原料や健康訴求で差別化、付加価値型オリジナル商品を強化




前の記事

