自社ブランド開発の目的
プロローグ(連載の意図)
チェーンストア産業構築をめざした流通改革は1960年代から始まった。その後チェーンストア志向企業による多店化が急速に進行し、いよいよ大手による寡占化の時代に突入した。改革は火急となっている。
これまで店の人気は「便利さの提供」で左右されてきた。①選んだフォーマット(商品部門構成と価格帯の組み合わせ)の種類、②立地の有利さ、③同一フォーマットで他社より広い店舗(スーパーストア化)、④来店の際のアクセス(道路事情、敷地への出入りなど)のしやすさ、⑤駐車場確保などのモータリゼーション対策、⑥ショッピングセンターへの入居で集積効果を発揮、⑦売れ筋商品の澱みない供給体制といった要素によって、扱う商品が何であろうと、“業態”の有利さでお客に評価されることが多店化につながったのである。
そして流通革命を志してから約60年が経過し、便利な業態を次々に実現して規模拡大を果たした企業が生き残った。ところが多店化によってオーバーストアに陥る一方、人口は減少する今日では、既存フォーマットをこれ以上に増やす余地はなくなった。しかし本物のチェーンストアになるまでにはまだすることがある。
主としてそのテーマは「商品開発」と「業務・作業システム改革」の2つである。この未完成の難題を克服しなければ、チェーンストア経営システムは完成しない。
規模拡大に伴い各社の資金調達能力は格段に高まった。また、中小企業の時から無理して定期採用を続けたことで大卒人材は揃っている。この2つの難題に取り組む体制は整っているのである。
本連載はそのうちの商品開発に的を絞り、目的、原則、開発の手順、技術、経験法則などを、誰もが取り組みやすいように具体的に記述していきたい。
勝負の決め手は強い核商品の育成
お客は買物の場としてなぜその店を選ぶのか。それは
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自社ブランド開発の目的
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