豆腐市場、栄養面の訴求やメニュー提案で若年層のトライアルを促す

文:石山 真紀(フリーライター・売場研究家)
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豆腐の金額PIおよび金額PI対前年推移

植物性たんぱくが手軽に取れる食品として再注目

 豆腐は食の多様化・洋風化などを背景に長らくダウントレンドにあったが、昨今の健康志向の高まりから、低脂質かつ植物性たんぱくが手軽に取れる食材として需要が拡大。メーカー各社は通常の豆腐のほか、バータイプや電子レンジ対応の半調理品など、豆腐を使った新たな商品を提案している。

 さとの雪食品では、常温での長期保存が可能な紙パック入り豆腐「ずっとおいしい豆腐」および「かためのおいしい豆腐」の販売に注力。中でも「かためのおいしい豆腐」は水切り不要で型崩れしにくく、炒め物や煮物など料理にも使いやすい常温保存が可能なロングライフの豆腐となっている。

 豆腐は和日配部門を代表するカテゴリーだが、流通各社のプライベートブランドも多く、売場では安易な価格訴求に陥りやすい。しかし原材料や製法へのこだわり、味わいの違いを伝えることで、付加価値商品の提案による単価アップにつなげることができるだろう。

 豆腐は味噌汁の具材や冷奴、湯豆腐・鍋物の具材といった和食系のメニュー以外に、麻婆豆腐やスンドゥブといった中華・韓国料理、ヘルシーなサラダの具材としても訴求しやすい。

 和食だけでなく若年層も興味を持つメニュー提案で気付きを与え、トライアルの獲得や売場の活性化につなげていきたいところだ。

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