世帯構造やライフスタイルの変化に合わせ「シン・容量」に対応した商品が続々
ちょうどいいサイズの飲料や調味料が登場
日本コカ・コーラでは、以前から製品展開している160ml以下の缶、350ml以下のPETボトルを「アフォーダブル」サイズと位置づけ、23年より販売を強化している。「アフォーダブル」は直訳すると「おてごろ」という意味で、買いやすさや適量、持ち運びやすさなどのニーズに対応した商品となっている。ミニ缶・ミニPETボトルは手に取りやすい価格帯であることから衝動買いが多く、購買促進に貢献している。

一方、ヤマサ醤油では、食卓でもキッチンでもさまざまなシーンやライフスタイルに合わせた「鮮度ecoボトル」300mlシリーズを展開。ほどよい量とサイズ感で少人数世帯にも使いやすい。料理に合わせて醤油を使い分けたい人にもちょうどよいサイズで、特選クラスの丸大豆しょうゆや、生しょうゆ、だししょうゆなど、5種類をラインアップした。

そのほか、調味料ではキユーピーが、ドレッシングの主力商品「深煎りごまドレッシング」と「シーザーサラダドレッシング」の容量ラインアップを拡充。これまでの180mlと380mlに加え、260mlと600mlを増やして4つの容量を展開している。ドレッシングはサラダだけでなく、さまざまな料理に使われることが増えており、とくに「深煎りごまドレッシング」は、冷奴、豚しゃぶ、うどんなどのかけるメニューのほか、蒸し料理や鍋物のたれ使いとしても広がっている。そのため大容量を求める声が多くなったことから600mlを発売。一方、家族の好みに合わせて使い分けて複数の種類を保有する世帯も増えていることから、手ごろな価格で購入しやすい260mlもラインアップした。ドレッシングは世帯によって使い方が多様化しているため、容量も複数揃える必要があるようだ。

ヨーグルトは最適な中容量帯、スープは好みの濃さが選べる大容量
生活環境や食シーンの変化から、多様化するあらゆるユーザーのニーズに応えるため、明治では昨年、「明治ブルガリアヨーグルト」シリーズに「コンパクトシリーズ」を発売。180gの「コンパクトプレーン」3種類と、400gの「コンパクトのむヨーグルト」4種類。そのままで、食べきり、飲み切り、分け合って、それぞれのライフスタイルに最適なシリーズとして提案した新容量となっている。コンパクトシリーズは、持ち帰るのも便利で、冷蔵庫の中でも場所をとらず好評となっている。また、コンパクトシリーズを発売することで、ライトユーザーを取り込んでおり、市場も活性化している。

一方、ポッカサッポロフード&ビバレッジでは、主力商品の「おうちスープ」シリーズのパウチ容器入り大容量タイプを展開している。いつもの飲み方はもちろん、自分の好きな量、濃さで楽しむことができるのが魅力となっている。また、具材が入っていないので、料理にも使える汎用性があり、チーズフォンデュやドリアなど、手軽にアレンジできる点も魅力だ。

各社とも、多様化する食やライフスタイルに合わせて、新たな価値を持った容量帯を展開することで、需要を喚起して市場活性化につなげている。
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