睡眠の質を意識する生活者が増加 良質な睡眠を促す「快眠プロモーション」を

取材:㈱電通tempo キザシ発掘ラボ
文:石山 真紀
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性年代問わず高まる快眠ニーズ
コーナー化で新たな気付きを

 ここから、具体的な睡眠サポート関連の商品群を見てみよう。森永乳業では昨秋、睡眠サポートドリンク「睡眠改善」を発売。L-テアニンを関与成分として、睡眠の質を改善(起床時の疲労感を軽減)することを表示した機能性表示食品だ。日清ヨークの「ピルクル ミラクルケア」は、腸内環境を改善する機能だけでなく、睡眠の質改善による日常生活の疲労感を軽減する機能を持つ機能性表示食品。1日の摂取目安量は65mlと手軽なことも奏功し、好調に推移している。

睡眠サポート関連の商品群

 また、手軽に続けやすいドリンクタイプの機能性表示食品として、アサヒ飲料は「届く強さの乳酸菌W(ダブル)」、Endianは「CHILL OUT スリープショット」を展開。アリナミン製薬からは、寝ている間に疲労を回復する栄養ドリンク「アリナミン ナイトリカバー」(指定医薬部外品)が発売されている。

 非食品分野で好調なのが、P&Gジャパンの「レノア オードリュクス スリープ」。同品はジャスミンローズ、カモミール、スイートオレンジの香りが特長のプレミアムリラックスアロマを配合。寝具やパジャマなどに使用することにより質の高い睡眠環境をサポートし、実際に使用者の85%が「睡眠環境をサポートしてくれた」と実感している。

 小林製薬の「ナイトミン 耳ほぐタイム」は、発熱体が耳を温めることで寝る前にやすらぎを与えてくれるイヤーピース(耳せん)。自律神経が集まる耳の温め+遮音効果という新しいアプローチにより、安眠を促す耳せんとして現在も好調に推移する。

 また、注目成分としてCBDが挙げられる。CBDとは麻(大麻草)の茎や種子から抽出されるカンナビノイドのひとつであるカンナビジオールの略称。CBDは幻覚作用や依存性がなく不眠や不安状態の緩和に一定の効果があるとされており、安全性についてもWHO(世界保健機関)で認められている。これまでは化粧品や雑貨などに用いられてきたが、先行する海外ではチョコレートなどのスイーツにも用いられ、日本国内でも新たな健康食材として期待されている。

株式会社電通tempo マーケティングプランナー キザシ発掘Lab 主任研究員 永野 薫氏(右) コミュニケーションプランナー キザシ発掘Lab 研究員 杉田 智恵氏(左)
株式会社電通tempo
マーケティングプランナー キザシ発掘Lab 主任研究員 永野 薫氏(右)
コミュニケーションプランナー キザシ発掘Lab 研究員 杉田 智恵氏(左)

 ストレス社会といわれる現代において、性年代を問わず質の高い睡眠へのニーズは今後も広がっていくことが予想される。とくに3月18日の「春の睡眠の日」前後は新生活に向け、生活リズムが大きく変化するタイミングでもある。店頭でもカテゴリーの枠組みを超え、「快眠サポート」コーナーを展開することで来店者への気付きにつなげていきたいところだ。

※㈱フジ医療器「第9回 睡眠に関する調査」より

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