短期間で1700SKU開発し、高い認知も獲得 カスミ「MiiL」開発の裏側に迫る!
ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(東京都/藤田元宏社長:以下、U.S.M.H)傘下のカスミ(茨城県/山本慎一郎社長)は2022年1月、新業態「BLANDE(ブランデ)」の立ち上げに合わせて、オリジナルブランド「MiiL(ミール)」を発売した。これを機に同社では、商品のブランディングや原料調達、部門横断での商品開発などに取り組み始めている。
顧客への提供価値を独自ブランドによって表現
U.S.M.Hは、22年度までの3カ年の「第2次中期経営計画」では、顧客への提供価値として「突き抜け鮮度」「商品との出会い」「エンリッチ」「つながり創出」の4つを定義している。カスミ常務取締役営業戦略担当の満行光史郎氏は「これらの価値を顧客に広く認知されるレベルで表現するためには、独自商品を数多くつくる必要があった」と振り返る。
地域密着型食品スーパー(SM)を志向するカスミでは、地元で収穫された農産物や地場メーカーが開発・製造する商品などをバイヤーが目利きし、独自商品として販売してきた。しかし、これらには共通のブランドがなく、コンセプトも統一されていないため、ブランディングしづらい面があった。「MiiL」を立ち上げたねらいについて満行氏は「既存の独自商品を含めて、統一したブランドのコンセプトやストーリーに落とし込んだ商品シリーズを展開することで、商品のこだわりや魅力を伝えられると考えた」と語る。
「MiiL」で特筆したいのは、商品開発にあたりブランディングに力を注いだ点である。食品小売業は従来、商品を仕入れて販売するにとどまり、マーケティングやブランディングはメーカーに依存しがちな面があった。こうしたなか満行氏は「ブランディングは食品小売業が苦手としてきた領域だが、独自化によって他社と差別化を図ることが求められる今、食品小売企業自ら、商品や自社の魅力をお客さまにきちんとアピールすることが不可欠になっている」とブランディングの重要性を説く。
新業態「BLANDE」で一気に商品を投入した理由
では、どのようにブランディングを行ったのか。「MiiL」は、
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